ヴァンス氏「ロシアはウクライナ和平交渉で大幅な譲歩」
「ウクライナの安全保障」受け入れの可能性を示唆
「対ロ制裁にはまだ多くのカード」圧力も強調

ウクライナが24日(現地時間)、独立34周年を迎える中、米国のJ・D・ヴァンス副大統領は「ロシアがウクライナとの和平交渉で大幅な譲歩を行った」と述べ、交渉の行方に注目が集まっている。ヴァンス氏は、ロシアがウクライナへの安全保障を受け入れたと強調し、米国が依然として「対ロシア制裁」という圧力カードを握っていると指摘した。
ヴァンス副大統領は同日、米『NBC』のインタビューで「ロシアはドナルド・トランプ大統領に対し相当な譲歩を行ったと考える。核心的要求の一部で柔軟姿勢を見せ始めた」と述べ、「ウクライナの領土保全に関する安全保障を含む合意が成立するだろう」と付け加えた。
これまでロシアは攻撃停止の条件として、東部ドンバス地域に対するウクライナの主権放棄、北大西洋条約機構(NATO)加盟の断念、西側軍隊の駐留禁止などを求めてきた。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は同日の『NBC』インタビューで「ウクライナは中立でなければならず、いかなる軍事同盟にも加わらず、非核国家であるべきだ」と述べた。
和平交渉がロシアの消極的な態度により難航していることについて、ヴァンス副大統領は「我々はロシアの行動をコントロールできない。もし可能なら7カ月前に戦争は終わっていた」と述べた。そのうえで「しかし我々は依然として多くのカードを持っていると確信している。米大統領にはこの紛争を終結させ、圧力をかけるために残された手段が多い。それが我々の役割だ」と語り、対ロ制裁の有効性を強調した。米国の制裁措置には高関税のほか、ロシア産原油を輸入する国々への「2次制裁」も含まれている。
一方、トランプ大統領は同日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領宛ての公式書簡で「米国は流血の事態を終結させ、ウクライナの主権と尊厳を守る持続的かつ恒久的な和平につながる合意を支持する」と伝えた。ゼレンスキー氏はこの書簡をSNS「X(旧Twitter)」で公開し、「ウクライナの最も重要な価値である独立、自由、そして『保証された平和』を守るために連帯してくれる米国に感謝する」と応じた。「保証された平和」という表現を明確にしたことで、米国による確実な安全保障を和平の必要条件として強調したとみられる。
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