
中国、ロシア、北朝鮮の首脳が初めて一堂に会する中、戦勝節パレードが目前に迫り、朝鮮半島情勢を巡る日米韓に対抗する中露北連携の行方に国際社会の注目が集まっている。
海外メディア『ニューシス』によると、中国は3日、北京・天安門広場で「抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年」(戦勝節80周年)パレードを開催する。
「歴史を記憶し、先烈をたたえ、平和を愛し、未来を創造する」をテーマに、パレードは現地時間午前10時から約70分間、閲兵式と分列行進で行われる。
イベントでは、陸上・空中から計45編隊が動員され、数万人規模の兵力と最新鋭の武器・装備が投入される。中国はパレードで披露する装備をすべて国産の現役主力兵器で揃え、新型兵器も多数公開する予定だ。
パレードでは、中央軍事委員会主席を兼務する習近平国家主席が軍隊を閲兵する。分列行進では、ヘリコプター編隊の空中先導部隊を皮切りに、徒歩行進部隊、軍旗部隊、装備部隊、航空編隊が順に天安門広場を通過する。
今回の戦勝節で最も注目されているのは、北朝鮮の金正恩国務委員長の出席だ。洪磊中国外交部副部長は先月28日の記者会見で、パレードに参加する26カ国の外国首脳のリストを発表し、ウラジーミル・プーチン露大統領に次いで金委員長を2番目に名指しした。
ロシア側は今回のパレードで、金委員長とプーチン大統領が左右に並んで着席する予定だと事前に発表している。
金委員長の中国戦勝節パレード参加は今回が初めてで、訪中自体も2019年以来6年ぶりとなる。特にプーチン大統領も出席することから、金委員長にとって中露北首脳が一堂に会する多国間の舞台は初めての経験となる。
今回の金委員長の参加を受け、近年の日米韓三角同盟に対抗して中露北の結束が強まることで、新冷戦構造が固定化するのではないかという見方にも注目が集まっている。
これまでウクライナ戦争への派兵などを契機に続いてきたロシアと北朝鮮の緊密な関係の中で、中国と北朝鮮の関係はやや微妙な状況にあった。しかし、今年に入り両国の相互訪問が増え、関係は徐々に回復しつつある。北朝鮮もこれまでロシアとの関係強化に注力してきた中、今回の中国訪問は両国の血盟関係を対外的に再確認する機会となった。
特に最近、ドナルド・トランプ米大統領がイ・ジェミョン大統領との首脳会談で北朝鮮との対話の可能性に触れたことを受け、北朝鮮としては今後予想される米朝対話に先立ち、朝鮮半島情勢をめぐる協議のため中国訪問を選んだのではないかとの分析も出ている。
さらに、パレードを契機に異例にも中国・ロシア・北朝鮮の3カ国首脳が同時に顔をそろえることから、かつての冷戦時代のように、今回の行事が日米韓と中露北の対立構図として映る可能性があるとの見方もある。
ただし、ロシアと北朝鮮を加えた三国間の枠組みが固定化され、西側勢力に対抗する構図を示すことは中国としては必ずしも望ましくないため、調整が入る可能性も指摘されている。そのため、今回のパレードで中露北の3者首脳会談が別途行われるかどうかが最大の注目点となりそうだ。
今回のパレードには、金委員長とプーチン大統領を含む26カ国の外国首脳が参加する。カンボジア、ベトナム、インドネシア、マレーシアなど東南アジア諸国に加え、ベラルーシ、パキスタン、イランなどの首脳も訪れ、主に反西側勢力国家が結集する場となる様相だ。
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