
「離婚後に別の男性と交際している」との理由で妊娠中の元妻を殺害した40代の男に懲役40年が確定した。
4日、韓国の法曹界によると、最高裁判所第1部(主審:ソ・ギョンファン最高裁判事)は、殺人および殺人未遂の容疑で起訴されたA(45)に懲役40年を言い渡した原審判決を最近、確定させたという。
Aは昨年3月28日、韓国・全州(チョンジュ)の美容室で30代の元妻B氏を刃物で何度も刺して殺害し、犯行を止めようとしたB氏の事実婚相手にも刃物を振るって傷害を負わせた罪で起訴された。
事件当時、B氏は妊娠7ヶ月だった。警察と消防当局は妊娠を確認し、B氏を病院へ搬送した。胎児は緊急帝王切開で生まれたが、保育器で治療中、結局19日後に死亡したことが明らかになった。
調査の結果、Aは事件の1年以上前にB氏と離婚しており、B氏が他の男性と交際を始めると、裏切られたという感情や怒り、嫉妬心から犯行に及んだとされている。
Aは裁判で心神耗弱を主張したが、裁判所側はこれを認めなかった。
第一審では「犯行の道具や時期を事前に計画していた点に照らせば、心身は健全であったとみるのが相当であり、事物を弁別する能力や意思決定能力が著しく低下していたとは認めがたい」と指摘した。
さらに「殺人は永遠に取り返しのつかない重大犯罪だ。被告は離婚後もも度々元妻を訪ね、何度も脅迫のメッセージを送りつけ、さらには被害者から1,000万ウォン(約107万円)を受け取って今後は連絡しないとの誓約書を書きながらも犯行に及んだ」として、懲役40年と5年間の保護観察を命じた。
Aは控訴審で心神耗弱の主張を取り下げ、犯行を全面的に認めた。
しかし、控訴審は「被害者の胎児も母親の死という悲惨な現実に直面し、家族の温もりを十分に感じることもできないまま、わずか19日で命を落とした。被告は何度も反省文を提出したが、遺族の苦しみを和らげ、許しを乞うには明らかに不十分だと考えられる」と厳しく批判したという。
そのうえで「原審の量刑が不当といえるほどの事情変更は認められない」として懲役40年を維持した。
この判決に対しAは上告したが、最高裁判所は「原審が被告に懲役40年を言い渡した1審判決を維持したことは著しく不当とは認められない」として上告を棄却したとされている。
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