
米国のドナルド・トランプ大統領を支持する右翼団体「ターニング・ポイントUSA」の創設者で保守派政治活動家のチャーリー・カーク氏(31)が10日(現地時間)、銃撃を受け暗殺された。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、カーク氏はユタ州オレムのユタバレー大学で約1,000人の聴衆を前に演説を始めてから約20分後に銃撃を受けたという。
トランプ大統領もこの日の午後、SNSの「トゥルース・ソーシャル」への投稿でカーク氏の襲撃を報告し、その約1時間半後に彼の死亡を発表した。彼は「偉大で伝説的なチャーリー・カーク氏が亡くなった」とし、「米国で若者の心を持ち、若者をあれほど理解していた人物はいない」と記した。トランプ大統領はカーク氏の死を悼み、全米で弔旗の掲揚を指示した。
AP通信やNBC放送などによると、カーク氏は銃撃直前、聴衆からの質問に答え、銃乱射事件と銃暴力について語っていたという。その時、銃声が1発鳴り響き、カーク氏の左首から血が噴き出す様子が映像に捉えられた。彼が右手を首に当てる姿も記録された。聴衆から悲鳴が上がり、パニックに陥った人々が逃げ出す様子も映像に残された。現地のテレビ局は青いシャツを着た高齢者が警察に連行される場面も放送した。しかし、容疑者はまだ逮捕されていないという。
この日の事件が起きたイベント開催を前に、キャンパス内では賛否両論が大きく分かれていたと伝えられている。カーク氏の出演を大学側に禁止するよう求めるオンライン請願には、約1,000人が署名していた。捜査当局からの公式発表はないものの、銃撃がカーク氏を狙い1発のみ行われたことなどから、政治的動機による暗殺事件と見られると米メディアは報じている。
カーク氏は2012年、18歳の時に保守派のポピュリスト運動「ティーパーティー」の活動家ビル・モンゴメリーと共に「ターニングポイントUSA」を設立した。その後、2016年にトランプ大統領が共和党の大統領候補に決定すると、彼を熱烈に支持する運動を展開した。カーク氏はトランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏の個人補佐官としても活動していた。その後、ケーブルテレビに頻繁に出演し、保守派の「文化戦争」に深く関与しながらトランプ大統領を賞賛し続けた。
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