清華大学・プリンストン大学出身のヤオ・シュンユー氏
オープンAIを離れテンセントへ

米シリコンバレーで始まったAI人材の争奪戦が、中国にも広がっている。
米ブルームバーグ通信は13日(現地時間)、中国IT大手テンセントが米オープンAI出身の研究者、ヤオ・シュンユー氏を迎え入れたと報じた。テンセントはヤオ氏に、自社サービス全般にAIを統合する任務を与える予定で、最大1億人民元(約20億7,088万3,000円)規模の報酬を提示したという。
ヤオ氏は中国の名門・清華大学を卒業後、米プリンストン大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得している。グーグルでのインターンを経て、昨年6月からオープンAIで研究活動を行ってきた。特に、近年AI分野で注目を集める「言語ベースのエージェント」研究を主導してきた人物である。
ヤオ氏の実力は業界でも高く評価されており、メタのマーク・ザッカーバーグCEOが超知能に特化したチームを立ち上げる際、ヤオ氏の獲得を試みたことでも知られている。
AI人材争奪戦は、企業間の競争にとどまらず、国家戦略にも直結する様相を呈している。米国によるエヌビディア製AI半導体の対中輸出規制で開発に支障をきたしている中国は、独自半導体の開発に加え、海外で活動する研究者の呼び戻しを強力に進めている。英科学誌「ネイチャー」によると、中国政府やバイドゥ、テンセントといった大手企業は、帰国する人材に対し、高額の報酬に加えて家族の移住支援、住宅の提供、研究資金の援助など破格の条件を提示しているという。
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