
中国が開発中の6世代ステルス戦闘機の試験飛行映像と接近写真が公開された。ロイター通信は9月29日に、「同月26日、中国のSNSおよびポータルサイトに尾翼のない「J-50」戦闘機がアパート上空を低空飛行する映像が投稿された」と報じた。
2024年12月末に初登場した中国の次世代戦闘機「J-50(またはJ-XDS)」は、3基のエンジンを搭載し、高出力の電力生成が可能で、電磁エネルギー兵器の運用にも有利とされる。また、AIを基盤にする自律飛行およびターゲット認識機能を備え、最大100機のドローン(無人機)を同時に制御できる。
公開された映像では、J-50が機体および翼端から白い雲状の気体を放出しながら、素早く雲を突き抜けて飛行している様子が確認できる。この映像の撮影時期および場所は確認されていない。

中国の中華網は「J-50は雲霧の中を敏捷に滑空し、翼面における衝撃波が鮮明に現れ、最先端の空力設計を示している」と述べ、「これは複雑な環境下での戦闘機の適応力を試すと同時に、瀋陽飛機工業集団が自社技術の成熟度に自信を示す事例である」と高く評価した。
これに先立つ9月25日、米軍事専門メディア「ザ・ウォーゾーン」は「J-50の最も鮮明な姿を捉えた写真が流出した」とし、関連写真2枚を公開した。その写真には、ある飛行場の滑走路上でJ-50と推定される機体が移動している様子が確認できる。
ザ・ウォーゾーンは「この戦闘機は洗練された外観に流線型のキャノピーと双発エンジンを備えている」と述べ、「米国のF-22・ラプターに類似した推力偏向エンジンおよび平板ノズル、回転翼端の制御面などの特徴的な要素も備えている」と解説した。

4月に、戦闘機のキャノピー部分が初めて鮮明に確認された。当時公開された映像と写真は、キャノピーに関する疑問を解消するほど鮮明であった。これに関し、ザ・ウォーゾーンは「乗員数は確認できていないが、キャノピーの長さがかなり長いことから、タンデム型(操縦士が前後に座る配置)に適しているように見える」と述べた。
2024年末以降、中国の一部地域で次世代戦闘機の飛行姿が次々と露出している背景には、最近米国が公開した次世代戦闘機の開発計画があるとみられる。トランプ大統領は3月、1980年代に開発され現行運用中の世界最強F-22など5世代戦闘機の後継になる6世代戦闘機の名称を「F-47」とし、開発企業にボーイングを選定したと公式に発表した。
当時トランプ大統領は「これまでに製造された中で最も先進的で、最も強力かつ最も致命的な戦闘機になる」と述べ、「最先端のステルス技術、機動性など、前例のないレベル」と強調した。

その後、中国ではJ-50だけでなく、6世代ステルス戦闘機J-36などの露出頻度が急増した。中国のCCTVも、予告編と解釈されるJ-36の映像を公開したことがある。
これに関連し、中国の軍事専門家・宋忠平氏は「(CCTVなどを通じて映像が公開されたのは)当局が6世代戦闘機の存在を認めたことを意味する」とし、「これは(従来の中国戦闘機である)J-10およびJ-20の後継機になることを示している」と述べた。さらに、米国と中国の戦闘機に関するニュースが2日間隔で公開されたことについて「空中での米中優位性競争を示すものだ」と付け加えた。
香港紙のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)も、中国の官営メディアが6世代戦闘機と推定される写真を公開したことは、次世代戦闘機の開発計画を発表した米国への挑戦であると指摘した。
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