
16日(現地時間)、スペインのメディア「エル・パイス(El Pais)」や「IDEAL」など海外各紙によると、パブロ・ピカソ氏の作品「ギターのある静物画」が2日、スペイン・マドリードからグラナダへの輸送中に消失したという。
消失した作品は、ピカソ氏が1919年に制作した、横9.8cm、縦12.7cmの静物画である。数年前のオークションでは個人コレクターに約6万ユーロ(約1,054万2,659円)で落札されたが、保険評価額は60万ユーロ(約1億543万円)とされていた。
この作品は先週、カハグラナダ財団が主催した展覧会に出品されるため、9月25日にマドリードの所有者宅から運送会社の倉庫に移され保管されていたが、3日に50点以上の他の作品とともにグラナダへ輸送された。財団側は、輸送された作品を配置しようとした際にピカソ氏の作品が消失していることに気づき、10日に警察へ通報した。
9月25日、ピカソ氏作品の所有者であるマドリードの自宅を訪れた運送専門家5名が1時間かけて作品を梱包し、運送車両に積み込んだ。作品の梱包過程には、所有者とその甥、そして2名のキュレーターが立ち会った。その後、作品は監視カメラとセキュリティアラームシステムなどで厳重に管理されているマドリードの運送会社倉庫に保管された。展覧会に必要な作品が集まった後、2日の午後4時にグラナダへの配送が開始された。倉庫保管中、一度もアラームは作動しなかった。
マドリードからグラナダまでは車で約4時間の距離だ。配送ドライバー2名は、目的地の文化センターまで27km地点で一泊し、翌日配送を再開した。2名のドライバーは交互に輸送物の監視を行っていたと伝えられている。
3日の午前10時、運送車両が文化センターに到着し、すべての作品が運送車両から貨物用エレベーターに積み込まれ、一度に展示場へ運ばれた。しかし、梱包されたまま輸送された作品には正確な番号が記載されておらず、配送リストとの照合が一つずつできなかった。また、防犯カメラで監視される空間で、梱包されたまま週末中放置されていた。
配送から3日後の6日になって、スタッフが作品の開梱を始めた際に、ピカソ氏の作品が消失していることに気づいた。作品は現在も行方不明のままだ。スペイン警察は、作品がいつ消失したのかを解明することに注力しているが、「捜査の詳細は公表できない」としている。
スペイン・マラガ生まれのピカソ氏は、20世紀を代表する芸術家の一人であり、現代美術の巨匠とされる。平面で立体を表現するキュビスム作品で注目を集めた。ピカソ氏の作品は高額なため、盗難の標的になりやすい。「アルジェの女たち」は2023年に1億7,936万ドル(約269億2,096万円)で、「腕時計をした女」は2023年に1億3,940万ドル(約209億2,318万円)で落札された。
2007年にはピカソの作品2点がフランス・パリで盗まれ、1976年にはフランス・アヴィニョン教皇庁で117点もの作品が盗難に遭い、その後回収された。
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