
今月17日(現地時間)、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がトランプ米大統領の2期目就任後3度目となるホワイトハウス訪問を行った。
2月の訪問時には「(戦争に勝つ)カードがない」とトランプ大統領から痛烈な言葉を浴びたゼレンスキー氏だが、今回は黒のジャケット姿で臨み、「スタイリッシュだ」との賛辞を受けた。
トランプ氏は「多くの困難を乗り越えてきた強い指導者だ」と称賛したものの、ウクライナ側が求めていたトマホーク巡航ミサイルの供与には応じなかった。
今回の米ウクライナ首脳会談は、トランプ大統領がガザ地区での和平交渉をまとめた流れの延長線上にあるとみられ、自身の「和平仲介」の成果をさらに重ねる狙いがあるとされる。会談前日には、トランプ氏がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と2時間を超える電話協議を行っていたことも明らかになっている。
この日の会談では、ゼレンスキー氏の正面に座ったピート・ヘグセス国防長官のネクタイにも注目が集まった。
ロシア国営『タス通信』は、会場の大半が無地のネクタイを着用する中、ヘグセス氏だけがロシア国旗と同じ白・青・赤の順に太いストライプが配されたネクタイを身につけていたと報じた。
米国旗にも同じ色が使われているが、ロシアメディアは「配列とデザインがロシアの三色旗そのものだ」と主張している。
トランプ大統領は先月、「国防省」という名称が受動的すぎるとして「戦争省」への回帰を命じる大統領令に署名した。
ウクライナのトマホーク供与要請について、トランプ氏は「プーチンはこのアイデアを気に入らなかった」、「米国自身もトマホークが必要だ」と述べ、慎重な姿勢を維持した。また、トマホークなしで戦争を終わらせたいとの意向も示した。
トランプ大統領とプーチン大統領は今後、ハンガリーのブダペストで首脳会談を行い、停戦への道筋について協議する見通しだ。
今回の米ロ会談は、ウクライナ戦争の終結に向けた具体的な成果を出せなかったアラスカ首脳会談からわずか2カ月で実現する。
アラスカ会談後、トランプ氏はプーチン氏への不満を示すとともに、トマホーク供与を含むウクライナへの軍事支援拡大の検討にも言及していた。
現在、米国のウクライナ支援は、北大西洋条約機構(NATO)が米国製兵器の代金を拠出する形で行われている。
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