
パブロ・ピカソが1919年に制作した「ギターのある静物」が展示品輸送中に紛失し、警察が捜査に乗り出した。作品の推定価値は約60万ユーロ(約1億540万円)に上る。
10月18日(現地時間)、英紙ガーディアンの報道によると、スペイン警察当局はマドリードから南部グラナダへ輸送中だったピカソの小型絵画1点が紛失した事件について捜査を進めているという。
ガッシュ(水性不透明絵の具)と鉛筆で描かれたこの作品は、カハ・グラナダ財団が主催する新展示会で公開される予定だった。縦12.7センチ、横9.8センチの小品で、マドリード在住の個人コレクターが所有していた。作品は10月3日に貸出展示品の一つとして車両でグラナダに輸送された。
財団によると、作品は当日午前10時ごろに到着し、荷下ろしと点検の手続きを経たが、一部作品については検査ができない状態だった。それにもかかわらず引き渡し手続きが完了し、輸送スタッフはそのまま出発したという。
週末の間、作品は監視カメラ下で保管されていたが、翌週の月曜日に財団スタッフが梱包を解いた。
財団は「開封後、スタッフが作品を展示場内の複数のエリアに移動させた」とし、「その日の午前中、展示キュレーターと担当者が作品1点の紛失を発見した」と説明した。
財団は「作品の紛失を国家警察に通報し、捜査当局に全面的に協力している」とし、「今回の事件が適切に解決されると確信している」と述べた。
ピカソの名声と作品価値の高さは、長年にわたり世界各地で窃盗犯の標的となってきた。
2007年2月には、ピカソの孫娘が住むパリの自宅で、総額5,000万ユーロ(約87億8,780万円)相当の絵画2点が盗まれた。また、2009年にはピカソ美術館で、800万ユーロ(約14億600万円)を超えるスケッチブックが盗難に遭っている。
1989年には、別の孫娘マリーナ・ピカソのフランス南部の別荘で約900万ポンド(約18億2,100万円)相当のピカソ作品12点が盗まれた。さらに1976年には、フランス南部アヴィニョンの美術館で118点もの作品が盗まれるという、フランス史上最大規模の美術品窃盗事件も発生している。
1997年には、武装した犯人がロンドン中心部の美術館に侵入し、ピカソの「女の頭」を盗んでタクシーで逃走した。その後、当該作品は回収された。













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