ロシア、ウクライナ民間人に手榴弾投下ドローンで数百回攻撃…戦争犯罪と国連報告
国連報告書「ドローン攻撃でこの1年に民間人200人以上が死亡」

ロシアが自国の一部占領地域であるウクライナ南部ヘルソンにおいて、ドローンを使って手榴弾を投下するなど、民間人を標的に数百件に及ぶ攻撃を行っていたことが明らかになった。
27日(現地時間)、米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」によると、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)傘下の「ウクライナ独立国際調査委員会」はこの日の報告書で、ロシアのドローン操縦士らが過去1年余りの間、定期的にヘルソンへドローンを飛ばして民間人を攻撃しており、これは戦争犯罪にあたると指摘した。
報告書によると、ロシアのドローンは道路や民家の裏庭にいる民間人に向けて手榴弾を投下したほか、救急車や消防隊を狙って攻撃を加えたという。
火災現場の上空を旋回し、鎮火に駆けつけた消防士に手榴弾を投げつける事例も確認された。
ヘルソン当局の発表として、報告書は「ロシアのドローン攻撃によって過去1年間に民間人200人以上が死亡し、2,000人以上が負傷した」と伝えている。
ロシアは2022年9月、ヘルソンを占領し自国領に編入したと主張している。ウクライナは同年末に反攻作戦でヘルソン市中心部を奪還したものの、現在もロシア軍は市を流れるドニプロ川東岸を支配している。
ロシア側は、自軍が占領する地域から川の対岸にドローン攻撃を仕掛けることで、ヘルソン全域の支配を狙っているとみられる。
ドローン攻撃の激化により、ヘルソンおよび周辺地域の住民は恐怖に包まれ、一部は市外へ避難した。報告書は「こうしたロシアの戦術が実際に一定の効果を生んでいる」と分析している。
市内ではドローンの襲来を防ぐため、住民が網状のテントを張るなどの対策を取る様子も確認された。
調査委員会は、「一連の攻撃は一見すると無差別の残虐行為のように見えるが、実際には恒常的な恐怖を生み出し、住民を市外に追い出すことを狙った組織的な作戦だった」とし、「民間人を強制的に退去させる政策の一環であり、国際法上の反人道的犯罪に該当する」と強調した。
ヘルソンで民間人を攻撃するために使われたのは、前線で運用される小型ドローンだったという。射程は約9.6kmで、空中で旋回しながら手榴弾を投下したり、標的に突進して爆発する用途で使われていた。
また、ロシア軍は民間人を攻撃・殺害する様子をドローン視点で撮影し、その映像をオンライン上で公開していたことも判明した。
報告書によると、映像はロシア軍と関係のある団体によって投稿され、住民への威嚇効果を高める狙いがあったとみられる。
ある軍関連団体は今年5月に動画を公開し、「この都市はやがて崩壊する」、「続報を待て」と書き込んでいたという。
委員会は最後に、「攻撃に使用された短距離ドローンには、標的をリアルタイムで撮影するカメラが搭載されており、加害者が明確な意図と認識を持って攻撃を行っていたことは疑う余地がない」と結論づけた。















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