天皇陛下との会見・フォード購入・金箔ゴルフボール…日本、トランプ大統領に「嗜好直撃カード」
6年ぶりのトランプ大統領訪日に総力戦
天皇陛下「再会できてうれしい」と英語であいさつ
トランプ大統領「日米関係をさらに強化」と応じる
高市首相、会談を前に勝負手
フォード「F-150」数百台の購入を提案
両首脳、米空母での同乗も予定

第2期政権発足後初のアジア歴訪に乗り出したドナルド・トランプ米大統領が、27日に日本を訪れ、天皇陛下を表敬した。
トランプ大統領と「蜜月関係」にあった安倍晋三元首相の後継を自任する高市早苗首相は、米国製トラックの購入、対米投資の具体化、防衛費増額といった「即効性のあるカード」を切り、トランプ大統領の心をつかむべく外交の総力戦に臨んでいる。
トランプ大統領はこの日、最初の訪問先であるマレーシアでの1泊2日の日程を終え、エアフォースワンで東京・羽田空港に到着した。その後、専用ヘリで六本木にある米軍施設・赤坂プレスセンターに向かい、大統領専用車「ビースト」に乗り換えて皇居を訪れた。約35分間にわたる面会で、徳仁天皇は通訳を介さず英語で「再会できてうれしい」と語り、トランプ大統領は「ありがとう」と応じた。さらに「高市新首相の下で日米関係をさらに強化したい」と述べた。
NHKによると、会談中トランプ大統領は天皇制に関する質問を投げかけ、天皇は趣味の登山について話題にしたという。トランプ大統領は自動車レースの話で応じ、和やかな雰囲気の中で面会が進んだと報じられている。
今回の訪日の核心となる高市首相との首脳会談は28日午前に予定されている。両首脳は会談後に昼食を共にし、午後には神奈川県横須賀市の米海軍基地を訪れ、米原子力空母ジョージ・ワシントンにそろって乗艦する見通しだ。その後、トランプ大統領はトヨタ自動車の豊田章男会長をはじめとする日本の経済界幹部や、米国の主要企業人らと夕食会を行う予定である。
高市首相は、安倍元首相の人脈と経験を最大限に活用し、初の首脳会談に臨む。日本経済新聞によると、外務省は2019年のトランプ政権第1期時の訪日を担当した実務チームを再招集した。日米関税交渉に関わった山田重夫駐米大使も帰国し、首相官邸での会議に参加したという。
安倍元首相が5度にわたる「ゴルフ外交」で個人的親密さを築いたのに対し、ゴルフを嗜まない高市首相は「目に見える実益」をもって信頼を得ようとしている。その一環として、政府はトランプ大統領に対し、フォード製ピックアップトラック「F-150」を100~200台購入する案を提案したと朝日新聞は伝えている。
これは、日本が米国製車両をほとんど輸入していないことへのトランプ大統領の不満を意識した対応とみられる。また、政府はゴルフ好きのトランプ大統領に対し、安倍元首相が生前に使用していたゴルフクラブと、石川県金沢市の特産品である「金箔入りゴルフボール」を贈る案も検討しているという。
さらに、政府は希少金属(レアアース)の供給網強化や、造船分野での協力覚書(MOU)締結など、対米投資拡大策を具体化する見込みだ。高市首相はまた、防衛費を国内総生産(GDP)の2%まで引き上げる時期を今年中に前倒しする意向を示し、トランプ大統領の防衛費分担要求に先手を打つ姿勢を示した。















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