
トルコ野党の有力大統領候補であり、イスタンブール前市長のエクレム・イマモール氏に対し、最大で懲役2,430年に及ぶ刑が科される可能性が浮上している。野党側はこれを「政治的弾圧」だとして強く反発している。
11日(現地時間)、国営通信『アナドル通信』などが報じたところによると、トルコ検察当局は3月19日に逮捕されたイマモール前市長に対し、組織的犯罪運営、収賄、横領、資金洗浄、強要、入札談合など142件の罪を適用し、約3,900ページに及ぶ起訴状を裁判所に提出した。
検察側は、イマモール氏が「触手を広げるような影響力を行使し、犯罪ネットワークを率いていた」と主張した。有罪となった場合、最大で2,430年の懲役を求刑する方針であるという。
最大野党・共和人民党(CHP)のオズギュル・オゼル党首はSNS『X』で、「この事件は法的判断ではなく、純粋に政治的な意図によって仕組まれたものだ」と非難し、「地方選挙で勝利したCHPおよび次期大統領候補を封じ込める試みだ」と強く批判した。
イマモール氏は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の主要な政治ライバルの一人とされてきた。彼の拘束をきっかけに、トルコ各地で大規模な抗議デモが発生した。これは2013年の「ゲジ公園デモ」以来、最大規模の街頭行動とされている。
起訴状には、スパイ行為や学位の偽造疑惑なども含まれており、有罪となればイマモール氏は次期大統領選への立候補資格を失う可能性が高い。
起訴されたのはイマモール氏のほか計402人にのぼる。野党側は「無実の人物にたった一つの罪を着せるだけでも不当だが、これほどの罪を一人に集中させるのは国家的犯罪だ」と主張し、政治的陰謀であると訴えている。
検察はまた、共和人民党(CHP)自体に関しても、上級控訴裁判所に関連書類を提出したとされ、一部ではCHP解党の可能性まで取り沙汰されている。これに対し、イスタンブール検察庁は「一部の違反事項について裁判所に報告したが、政党解散を求めたわけではない」と説明した。
CHPは昨年3月の地方選挙でアンカラやイスタンブールなど主要都市を制し、政治的な影響力を拡大したが、その後、所属市長16人が相次いで拘束されるなど、政権による圧力が継続している。また、トルコの裁判所は昨年10月、CHP党首選の結果に対する訴訟を棄却し、現在のオゼル党首体制を正式に認めた。















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