高物価で追い込まれたトランプ大統領、ついに追加関税を撤回

ドナルド・トランプ大統領は、高物価による支持率低下などの政治的圧力が強まる中、ブラジル産主要農産物に課していた40%の追加関税を無効とする措置を決定した。
ホワイトハウスが20日(現地時間)に公表した関税適用範囲修正に関する大統領令によると、トランプ大統領はブラジルの特定農産物に対する40%の追加関税を、米東部時間13日午前0時1分にさかのぼって免除すると定めた。
これにより、ブラジル産の数十品目の農産物に対する関税率は実質的に0%となった。すでに14日に、大統領令によって当該農産物が「国別関税」の対象から除外されており、従来課されていた基本関税10%も撤廃されていたためである。
アメリカはこれまで、ブラジル産輸入品に対し基本関税10%に加え、追加関税40%を上乗せし、合計50%の関税を課していた。追加関税は7月30日、トランプ大統領が、親交のあるジャイール・ボルソナーロ前ブラジル大統領が自国で政治的弾圧を受けていると主張し、発動したものであった。
トランプ大統領は今回の決定について、先月ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領との電話会談で関税交渉の開始に合意したことや、米当局とブラジル側との初期協議で一定の進展が見られたことなどを考慮した結果だと説明している。
一方で、背景には高物価対策の狙いがあるとの見方が強い。ロイター通信は、今回の措置は食品価格高騰を引き起こした一部関税について、政権が方針転換を進める流れの一環だと指摘した。その上で、14日に複数の農産物に対する関税を撤廃した大統領令に続く動きだと分析している。
AFP通信も、生活費の上昇に苦しむ有権者からの不満が高まる中で、政権が圧力を受けていると報道した。ブルームバーグ通信も同様に、物価高に対する有権者の反発が強まる中、関税緩和の対象を拡大したと伝えている。
















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