北朝鮮の国連制裁違反を追跡する国際監視活動に反発
中国「国連制裁履行を口実に中国領海を侵害している」と非難

中国海軍艦艇が、先月、北朝鮮の違法な船舶間移送(瀬取り)を監視していたフランス海軍のフリゲート艦を追尾していたことが確認され、中国が北朝鮮の海上密輸を取り締まる国際的な監視活動に反対する姿勢を強めている実態が改めて浮き彫りになった。米北朝鮮専門メディアのNK Newsが27日(現地時間)、報じた。
フランス国防省は、自国のフリゲート艦FSプレリアルが黄海で通常の国連制裁監視任務に従事していた際、「中国海軍艦艇との相互接触があった」と発表した。
国防省はこの接触について、「専門的かつ管理された形で行われた」と説明し、物理的な衝突はなかったことを示唆している。
フランスの軍事情報メディア「インテリジェンス・オンライン」は先週、中国海軍の艦艇が同艦を追尾していたと報じていた。
同メディアによると、プレリアルは最近、中国漁船の違法操業が増加している南北海上境界線である北方限界線(NLL)周辺海域で活動しており、同地域における「中国漁船団の密集状況」を観測していたという。
プレリアルは2021年以降、国連制裁に違反した北朝鮮による石炭・石油の船舶間移送を監視しており、今回が今年4回目の派遣となる。
フランスを含む複数の欧米諸国は、朝鮮半島周辺海域に船舶や航空機を定期的に派遣し、北朝鮮の制裁違反行為を監視してきた。
この国際監視活動に対しては、北朝鮮と中国の双方が反発しており、中国は特に、自国沿岸近海での活動を「中国領土への脅威」と位置づけてきた。
中国はこれまでに、制裁監視に従事するカナダやオーストラリアの艦船・航空機を妨害したとの批判を受けたことがある。昨年5月には、中国軍機がオーストラリア海軍のヘリコプターに対し、フレア(閃光弾)を投下したと、オーストラリア政府が発表していた。
これに対し中国政府は、国連制裁履行を口実に「中国の領海に侵入する攻撃的行為だ」と反発する立場をとっている。
中国は過去にも、この地域におけるフランス海軍の活動に対し強硬な対応を見せている。
今年初めには、南シナ海とフィリピン海を結ぶルソン海峡を通過するフランス空母打撃群を、中国海軍の軍艦30~40隻が追尾したとされる。フランス側の艦隊は移動中、中国海軍の空母とも遭遇したという。
また、中国政府はこれ以前、台湾海峡を通過したフランス海軍艦艇について「中国の領海に不法侵入した」と批判していた。













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