
米国のドナルド・トランプ大統領が前任のジョー・バイデン前政権時に導入された自動車燃費規制を緩和すると3日(現地時間)に発表した。
ワシントン・ポスト(WP)によると、トランプ大統領はこの日ホワイトハウスで2031年型新車の平均燃費目標をガロン当たり50.4マイル(リットル当たり21.4km)から34.5マイル(リットル当たり14.6km)に引き下げると発表したという。現在米国で販売されている新車の平均燃費は、ガロン当たり28マイル(リットル当たり11.9km)の水準だ。
フォード、ゼネラルモーターズ、ステランティスなど米国の3大自動車企業の経営陣が出席する中、トランプ大統領はバイデン前政権時代の燃費規制を廃止する行政命令に署名した。
ホワイトハウスは今回の措置が今後5年間で米国の家庭に総1,090億ドル(約16兆9,348億円)を節約させ、新車価格が平均1,000ドル(約15万5,365円)引き下げられる可能性があると主張した。
自動車業界は即座に歓迎の意を示した。行事に出席したフォードのジム・ファーリーCEOは「常識と経済性の勝利だ」と評価した。ステランティスのアントニオ・フィローザCEOも「燃費規制が実際の顧客需要と調和することになり喜ばしい」と述べた。
石油業界を代表する米国石油協会(API)のマイク・ソマーズ会長も「米国のドライバーの勝利だ」とし「今日の市場の現実を認めた常識的な措置だ」と評価した。
環境団体は反発した。生物多様性センターの安全気候交通運動ディレクター、ダン・ベッカー氏は「今回の規制緩和により自動車メーカーは燃料を多く消費し、より多くの汚染を引き起こす車種をさらに多く製造することになる」とし「消費者もガソリンスタンドでより多くの出費を強いられることになる」と述べた。
バイデン前政権で環境保護庁長官を務めたジーナ・マッカーシー氏も今回の措置が「電気自動車への移行を遅らせ、結果的に米国の自動車産業に悪影響を及ぼす」と警告した。
今回の規制緩和はトランプ政権の内燃機関寄り・電気自動車反対政策の延長線上にある。トランプ大統領はすでに新規電気自動車購入時に提供されていた最大7,500ドル(約116万5,232円)の連邦税額控除を廃止した。また2035年からカリフォルニア州が内燃機関新車販売を禁止しようとした法案を無力化した。
ただし自動車業界内部では政策の不確実性に対する懸念が大きいと伝えられている。政権が変わるたびに自動車関連規制が振り子のように揺れ動き、長期的な投資計画を立てるのが難しいという指摘だ。
法律事務所ホランド・アンド・ナイトのロビイスト、リッチ・ゴールド氏(Rich Gold)はWPに「自動車産業は10年先を見越して計画を立てなければならないが、現在の混乱と不確実性に耐えるのは難しい」と批判した。ゼネラルモーターズはかつて2035年までに100%電気自動車のみを販売すると公言したが、最近数十億ドル規模の投資対象を電気自動車から内燃機関車に転換した。













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