『ロイター通信』は3日(現地時間)、オランダの経済大臣が今月予定されていた中国訪問を突然キャンセルしたと報じた。
その原因はオランダの半導体メーカー・ネクスペリアを巡る対立が続いていることではないかと分析されている。

オランダのビンセント・カレマンス経済相は2日(現地時間)、議会に書簡を送り「日程の都合」で訪中をキャンセルすると通知した。
ただし、ネクスペリア問題の解決のためならいつでも中国と即座に対話する用意があると述べた。
ネクスペリア問題は9月30日、オランダ政府が自国に本社を置く同社の経営権を制御する異例の措置を取ったことから始まった。
車載用半導体を生産するネクスペリアは、中国の半導体メーカーWingtechが2019年に100%の株式を取得した。オランダ政府は親会社Wingtechがネクスペリアの核心技術と生産施設を中国に移転しようとしていると判断した。これはヨーロッパの経済安全保障に深刻な脅威となる可能性があるというのがオランダ政府の立場だった。
中国は即座に反撃に出た。ネクスペリアは半導体設計とウェーハ生産はヨーロッパで行うが、最終組立とテストはほとんど中国の工場で行われる。中国政府はこの事実を利用して、中国の工場で生産されたネクスペリア製品の輸出を禁止するカードを切った。
この措置は全世界の自動車産業に衝撃を与えた。ネクスペリアの半導体は最先端ではないが、自動車一台あたり数百個から数千個まで搭載される必須部品だからだ。フォルクスワーゲンやホンダなどの主要自動車メーカーは部品在庫が底をつき、一部の工場の生産ラインを停止せざるを得なかった。
事態がグローバルなサプライチェーン危機に発展する中、米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席は10月末韓国釜山(プサン)での会談で和解に合意した。
米国はネクスペリアに直接的な影響を与える制裁の適用を1年間猶予し、中国は輸出制限を緩和することにした。
これを受けてオランダ政府も先月19日、ネクスペリアに対する経営管理措置を一時中断し和解の意思を伝えた。
しかし中国はオランダ政府の経営管理「完全撤回」と裁判所の最高経営者(CEO)職務停止判決の取り消しを要求している。カレマンス経済相の訪中キャンセルはこのような根本的な立場の違いが解消されていないことを示している。
一方、カレマンス経済相は今月5日、オランダ議会でこの件について討論を予定している。













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