
オーストリア最高峰グロースグロックナー(標高3,798メートル)において、恋人の女性が疲労困憊と低体温症で動けなくなったにもかかわらず、男性が単独で下山し、約6時間放置された結果、女性が死亡する事件が発生した。
英タブロイド紙ザ・サンなどが4日(現地時間)に伝えた報道によると、今年1月、オーストリアで彼氏と共にグロースグロックナー山を登っていた女性が、頂上まで約50メートルを残した地点で、疲労困憊と低体温症、方向感覚の喪失などの症状によりこれ以上移動が不可能な状態に陥った。
しかし、同行していた男性は、恋人の女性をそのまま山上に放置したまま下山することを決定し、女性は約6時間30分にわたり極寒の中で単独で放置された結果、凍死した。
この男性は熟練した登山家であったが、高所登山の経験がほとんどない恋人を全く考慮せずに登山を強行したことが判明した。
また、2人は出発が予定より2時間遅れたにもかかわらず登山を続行し、登山中も非常用装備を備えていなかったことが後に判明した。特に男性は下山する際、女性を風を避けられる場所へ移動させたり、最低限の保温措置を講じることすらしなかった。
さらに、2人が遭難したのは前日午後8時50分頃であったが、男性は付近を捜索していた警察ヘリコプターに対し救助信号を発信せず、警察からの繰り返しの連絡も、男性が携帯電話をマナーモードに設定していたため受信しなかった。
男性が救助を要請したのは翌日午前3時30分であった。しかし、強風のためヘリコプターの出動が遅れ、午前10時頃に救助隊が到着したとき、女性はすでに死亡していた。
登山当時の風速は時速46マイル(約74キロメートル)に達し、気温は氷点下8度、体感温度は氷点下20度に達していた。検察は「熟練した登山家である男性が、まず恋人との登山を計画した以上、より責任をもって同行すべきであった」と述べた。
一方、男性の弁護士は「これは悲劇的な事故にすぎない」とし、「依頼人は事件の結果を極めて遺憾に思っている」と述べた。
男性による裁判は来る2月19日にインスブルック地方裁判所において開廷される予定である。













コメント0