
北朝鮮が高市早苗首相の台湾関連発言を巡り、中国と日本が対立する局面を見守るだけで、中国を支持する発言を出さないことが注目されると、米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」が8日(現地時間)に報じた。Newsisの報道によると、10月に北朝鮮の首相が中国の台湾政策を公然と支持したのとは対照的に、立場表明を先延ばしにしているという。
北朝鮮メディアは先月12日、高市首相の台湾発言に関する初報道以降、主に中国外交部を引用する形で中国と日本間の緊張を継続的に報じてきた。北朝鮮はまた、党機関紙ではなく内閣機関紙「民主朝鮮」にのみ事案を中立的に分析する記事を掲載した。この記事は中国と日本両側の立場をすべて提示しながら、日本に対して暗に批判したが、中国に対する明示的な支持を避けた。
特にこの記事は、中国と日本の対立は両国の紛争が戦略的対決の性格を帯びるため、両国関係の悪化が長期化するだろうという専門家の分析を付け加えるなど、中立的な論調を貫いた。現在進行中の中国と日本間の緊張に対して、北朝鮮が見せるこのような慎重な態度は、9月に北朝鮮の金正恩国務委員長が6年余りぶりに中国の習近平国家主席と首脳会談を行った後、高位級の北中交流が再開された状況を考えると非常に異例だ。
会談後、北朝鮮の首相が10月に訪朝した中国当局者に対して台湾問題に関する中国政府の立場を珍しく公開支持する発言をした。また、北朝鮮の官営「朝鮮中央通信」は先月の論評で、台湾問題に関して米国と韓国が「この地域の主権国家の領土保全と核心的利益を否定している」と非難した。
北朝鮮は過去にも中国の台湾政策を積極的に支持した前例がある。2022年8月、米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問した際、北朝鮮労働党が中国共産党に異例の連帯書簡を送り、中国の立場と決定を常に全面的に支持すると強調した。2023年8月には、駐中国北朝鮮大使が外務省のホームページに寄稿した文章で、台湾は永遠に中国の一部であり、中国民族の土地には常に一つの中国しか存在しないと書いた。
それにもかかわらず、北朝鮮が今回中国に対する明示的な支持を表明していないことが注目される。北朝鮮の沈黙の背景は三つの理由が推測できる。まず、北朝鮮が中国との関係を調整している可能性がある。北中関係がまだ完全に回復していないという解釈だ。
次に、北朝鮮が日本との関係で余地を残そうとしている可能性がある。北朝鮮は昨年、岸田文雄前首相が訪朝を提案した際、拒否せずに余地を残す反応を見せていた。しかし、今回高市首相が明らかにした訪朝希望に対しては、北朝鮮が今まで何の反応も示していない。
三つ目は、北朝鮮が来年の第9回党大会の対外政策決定を前に主要な懸案について立場を明らかにするのに慎重である可能性がある。














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