

サッカー・フランス代表のキリアン・エムバペが、パリ・サンジェルマン(PSG)との長期にわたる法廷闘争で勝訴した。
英BBC放送委によると16日(日本時間)、フランスの裁判所がPSGに対し、エムバペへ未払いとなっていた給与とボーナス計6,000万ユーロ(約109億1,506万3,753円)を支払うよう命じたという。
さらに、エムバペは長引いていた紛争が昨年11月にパリ労働裁判所へ移管された後、元所属クラブであるPSGに対し、未払い賃金5,500万ユーロ(約100億617万1,098円)を含む計2億6,300万ユーロ(約478億4,769万888円)の支払いを求めていた。これに対し、PSG側もムバッペ氏に対して2億4,000万ユーロ(約436億6,667万5,957円)を請求する反訴を起こしていた。
しかし、裁判所の判決額はやや少なかった。裁判所は、PSGが2024年4月から6月までの3か月分の給与を支払っていなかったほか、契約に盛り込まれていた倫理ボーナスや契約金についても未払いであったと判断した。
この問題は2023年に遡る。当時、エムバペはPSGでプレーしていたが、契約は2024年夏に満了する予定で、本人は契約更新を行わずに退団する意向を示していた。これを受け、ナーセル・アル=ヘライフィーPSG会長は異例の対応に踏み切り、シーズン序盤からエムバペの出場時間を制限し、起用機会を減らしたほか、放出候補とされる選手らと別枠での練習に参加させていた。

2024年夏にレアル・マドリードへ移籍したエムバペは、その後PSGを相手取り提訴した。まず「ロフト」と呼ばれる別枠での練習を強いられ、通常のチーム練習に参加できなかった期間に精神的被害を受けたとして、刑事告訴を行った。
さらにエムバペは民事訴訟も起こし、5,500万ユーロの給与とボーナスが支払われていないと主張した。これは2023年夏以降に受け取るべき3か月分の給与と一部のボーナス金額だとされている。
これに対しPSG側は「選手本人と合意の上で、契約終了時に支払う予定だった一部金額を放棄することになっていた」と反論したが、エムバペ側はそのような合意は存在しないとして真っ向から否定していた。
最終的に裁判所はPSG側の主張を退け、エムバペの訴えを認めた。判決を受け、PSGは声明を発表し「クラブが過度に信頼を寄せていた事実を認め、今回の経験から教訓を得た」とし「最優先の価値はあくまでチームとしての成功とサポーターの喜びであることを再確認し、この章を終え、新たで前向きな時代へ進みたい」とコメントした。














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