ロシア・クルスク州知事、地雷除去作業について「北朝鮮の支援なしでは不可能」
来年春に再投入へ、地雷除去任務の継続を示唆

今月初めにロシアから帰国した北朝鮮の工兵部隊が、来年春にもロシア西部クルスク州に再投入される見通しとなった。
米北朝鮮専門メディア「NKニュース」によると、アレクサンドル・ヒンシテイン・クルスク州知事は14日、自身のTelegramで、国境地帯の爆発物除去で「貴重な支援」を行った北朝鮮の工兵部隊が数か月以内に戻ってくるとの見方を示した。
知事は「国境地域の復興は北朝鮮工兵の助けなしには不可能だ」としたうえで、「春にはクルスクの土地を復元する作業を続ける」と述べた。
北朝鮮の工兵部隊は今年秋以降、ロシア軍とともにクルスク一帯で大規模な地雷除去作戦に従事したとされる。知事の投稿は、金正恩北朝鮮国務委員長が13日、「第528工兵連隊」の帰国を歓迎した翌日に出た。
クルスク州当局によれば、北朝鮮部隊は計150万個以上の爆発物を処理し、4万2,400ヘクタールの土地を復旧したという。約3か月で地雷除去を行った面積は、ソウル市の約70%に相当するとしている。

知事はまた、部隊が平壌へ戻る前に記念品を用意したほか、ロシア側での叙勲も提案したと説明した。知事は10月に平壌を訪れ、金委員長と地雷除去を目的とした工兵派遣について協議したとも伝えられている。
第528工兵連隊は5月に発足し、8月にロシアへ派遣された。ロシア軍の教官から、最新式の爆発物探知装置や遠隔操作ロボットの運用方法を教わったうえで現場に投入されたという。クルスク当局は、両国の軍事協力を記念するモニュメントを設置する計画にも言及した。
工兵部隊の再配置が取り沙汰されるなか、13日にはロシア非常事態省が運用するイリューシンIl-76TD輸送機が平壌に到着したことも確認され、さまざまな観測を呼んでいる。ワグネル・グループとも関連が指摘される同機の平壌行きは、最近死亡したアレクサンドル・マツェゴラ駐北朝鮮ロシア大使の遺体をモスクワへ移送する目的だった可能性がある。

一方、金委員長は帰国した工兵部隊の歓迎式で、地雷除去作業中に9人が死亡したと明らかにした。ウクライナ戦争をめぐり、北朝鮮が死傷者数に言及したのは初めてとされる。
金委員長は、5月28日に編成された部隊が8月初めに出発し、クルスク州で工兵任務を遂行して「目覚ましい戦果」を上げたと強調した。負傷して車いすに乗る兵士を抱き寄せたり、戦死者遺族を抱いて慰めたりする場面もあったとされ、歓迎公演では涙を流したとも伝えられた。
北朝鮮は昨年10月以降、ウクライナ軍が占領したクルスク州に約1万2,000人の特殊部隊を派遣し、奪還作戦に加わったとされる。うち6,000人が死亡したとの見方もある。戦闘部隊に続き、地雷除去の工兵1,000人、インフラ再建のための2個旅団規模の軍事建設人員5,000人が追加で派遣されたという。
北朝鮮が犠牲者数まで公表し、大規模な歓迎式を行った背景には、停戦交渉の行方をにらみ、エネルギー供給や技術移転などの見返りをロシア側に求める狙いがあるとの見方が出ている。













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