一部の下院議員、3年延長案投票請願に署名

アメリカ共和党内で、ドナルド・トランプ大統領に対する反発が強まっている。10~11月にかけて43日間続いた史上最長の連邦政府閉鎖を招いたオバマケア(ACA)補助金延長問題を巡り、共和党議員4人が民主党側に加わる異例の動きを見せた。
共和党下院のマイク・ローラー、ブライアン・フィッツパトリック、ロブ・ブレスナハン、ライアン・メッケンジーの4議員は17日、オバマケア補助金延長を本会議で採決にかけることを求める民主党側の請願に署名した。
この請願に加わった共和党議員はいずれもニューヨーク州とペンシルベニア州の接戦選挙区を地盤としており、補助金が延長されず廃止されれば、地元有権者が与党・共和党から離反することを懸念している。オバマケアの補助金が失効すれば、低所得層が負担する医療保険料は大幅に上昇する見通しとなっている。
4議員は、議会指導部の承認がなくても特定の法案を本会議の採決に付すことを可能にする、ハキーム・ジェフリーズ民主党院内代表の請願に署名した。これにより、請願は採決強行に必要な最小数である218人分の署名を確保した。今月末に期限を迎えるオバマケア補助金をさらに3年間延長する案が、共和党指導部の意向に関係なく採決に付される可能性が高まっている。
下院では共和党が220議席、民主党が213議席と、共和党の優位はわずか7議席にすぎない。このため、オバマケア延長案を阻止できるかどうかは不透明な情勢となっている。
造反した議員らは、これまで中道的な妥協案を提示してきたにもかかわらず、共和党指導部が採決そのものを妨げてきたとして強く反発している。マイク・ローラー議員は今回の対立について「アメリカ国民のことを考えると怒りを覚える。言語道断だ」と述べ、「すべての議員は自らの選挙区と有権者に仕える責任がある」と強調した。
現在、約2000万人のアメリカ国民がオバマケアを通じて健康保険の恩恵を受けている。補助金が今月末に終了した場合、2026年の標準保険料は約26%上昇すると、カイザーファミリー財団(KFF)は予測している。これは全体平均での上昇率であり、補助金を受けている層では、さらに大きな負担増が見込まれる。
トランプ政権はオバマケアへの補助金支給を打ち切り、来年から同プログラムを終了させる方針だ。この問題を巡り、米議会では共和党と民主党が激しく対立し、予算が成立せずに43日間にわたる連邦政府閉鎖に発展した。
今回の共和党議員の反乱は、トランプ大統領の支持率が低下する中で起きており、党に対する掌握力をさらに弱める結果となっている。
ロイターとイプソスが16日に公表した世論調査では、トランプ大統領を支持すると答えたのはアメリカ成人の39%にとどまった。12月初めの前回調査(41%)から2ポイント下落し、再び40%を下回った。支持率は11月中旬の38%が今年最低水準となっている。
マイク・ジョンソン下院議長の指導力も打撃を受けている。ジョンソン議長は「下院の統制を失ってはいない」と主張し、指導部を迂回する手法は正しい立法手続きではないと警告したが、党内の反発を抑え込むことはできなかった。
今回の共和党議員の離脱は、来年の中間選挙でインフレと医療費問題が主要争点になることを示唆しており、共和党が下院の多数派を維持できるかどうかは予断を許さない状況である。
トランプ大統領は14日付のウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、自身の経済政策がまだ十分な成果を上げていないとして、来年の中間選挙で共和党が勝利できるかは不確実だとの認識を示した。「成功した大統領でさえ中間選挙では敗れることがある」と述べ、「我々は勝たなければならないが、統計的に見れば非常に厳しい」と語っている。















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