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米海軍が動かないホルムズ海峡、同盟国に護衛を求めるトランプの矛盾

望月博樹 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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イランがホルムズ海峡を事実上封鎖し、海運業界が米軍にタンカーの護衛を要求しているが、過去の事例を振り返ると護衛作戦の危険がいかに大きいかが浮き彫りとなる。専門家らは、現在のイランの軍事力は当時より大幅に強化されており、同様の作戦を展開しても危険性は一段と増していると評価している。

1980年代後半、ペルシャ湾ではイラン・イラク戦争の影響で商船やタンカーへの攻撃が急増した。両国は相手国の石油輸出を遮断するため通過車両を攻撃し、いわゆる「タンカー戦争」が展開された。クウェート政府の要請を受けた米国は、タンカーを米国籍に再登録したうえで米海軍が護衛する「アーネスト・ウィル作戦」を1987年7月から翌年9月まで実施した。

しかし、作戦中も攻撃は止まなかった。1987年7月にはクウェートのタンカーがイランの機雷に接触して大破。同年10月には別のタンカーが対艦ミサイル攻撃を受け、乗組員が負傷した。米軍艦も例外ではなく、1988年4月にはフリゲート艦が機雷により深刻な損傷を被り、10人が負傷。作戦開始直前の1987年5月には、別のフリゲート艦がイラク軍機のミサイル攻撃を受け、37人の死者を出す悲劇も発生している。

現在の状況は、当時よりもはるかに複雑である。1980年代のイランの主な脅威は機雷や小型高速艇に限定されていたが、現在は多様な「非対称戦力」を備えている。射程数百km級の超音速・弾道型対艦ミサイルに加え、自爆ドローン「シャヘド」などの無人機戦力は、防空網を飽和させる大量投入が可能だ。さらに、ウクライナ戦争でも威力を発揮した海上ドローン(無人自爆ボート)や、磁気・音響・スマート機雷など約5,000〜6,000個に及ぶ機雷戦力も保有している。

これらの兵器が特に脅威となるのは、ホルムズ海峡の地理的特性ゆえだ。海峡の最も狭い部分は約33km、実際の航路は数km幅に過ぎない。機雷、ミサイル、ドローンによる同時攻撃が行われれば、海上交通は容易に麻痺する。イランとの紛争が3週目に入った現在も、米海軍が同海峡に軍艦を投入していない事実は、この危険度の高さを物語っている。

ドイツのピストリウス国防相は16日の記者会見で、トランプ大統領による軍艦支援要求を拒否し、「強大な米海軍でさえ自力で成し得ないことを、欧州の艦艇に期待しているのだろうか」と疑問を呈した。「ワシントン・ポスト(WP)」は、「トランプ大統領は同盟国に助けを求めているが、米海軍が行かない場所に行く国はほとんどない」と、現状の厳しさを指摘している。

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