
日本は米トランプ政権との関税交渉に基づき進めることにした5,500億ドル(約88兆1,500億円)の対米投資のうち、10%以上にあたる650億ドル(約10兆4,200億円)を米国が主導する次世代の小型モジュール炉(SMR)事業に投資することを決定した。
SMR技術をリードする米国は日本の資本を引き入れ、大規模な原子力発電所の増設に乗り出す予定だ。1979年のスリーマイル島原発事故以降停滞していた米国の原発政策の大転換を図る計画だ。日本が巨額の対米投資を通じて米国のSMR供給網の構築に深く関与し、米国主導の次世代原発事業に参画できるようになったという分析が出ている。
12日の日本経済新聞(日経)によると、今月初め、赤沢亮正経済産業相と米国のハワード・ラトニック商務長官はオンライン協議を行ったという。日本の5,500億ドルという対米投資枠を活用して原発を新規建設・増設する方策だ。SMR投資の内容は今夏以降発表される日本の第2弾・第3弾の対米投資事業に含まれる見込みだ。
日本政府は米GEベルノバと日立製作所が共同で推進するSMRに最大400億ドル(約6兆4,100億円)を投資する方向で最終協議を進めている。また、米国の新興企業ニュースケール・パワーのSMRにも最大250億ドル(約4兆60億円)を投資する計画が浮上している。これにより原発に対する対米投資は10兆円を超える見通しだ。最初の事業は米南部テネシー州が検討されている。米政府はSMRの認可手続きをすでに開始したとされる。
ラトニック長官はこの件に関連して日経との電話インタビューで「米国内にSMRを大規模に建設する供給網を日米が共に構築し、その技術を世界に輸出する良い機会になる」とし、「小型原子炉事業で世界をリードしたい」と述べた。

米国はスリーマイル島事故以降、原発の新規建設が停滞してきた。2023年に米国内で稼働したボーグル原発3号機は約30年ぶりの新規商業用原発だった。原子炉数は1990年の112基をピークに現在約90基まで減少している。米国のドナルド・トランプ大統領は2050年まで原発発電能力を現在の4倍に拡大する目標を立てた。2025年5月には小型原子炉の承認手続きの迅速化などを盛り込んだ4つの大統領令を発表し、2030年まで大型原発10基を新たに建設する計画も打ち出した。ここに日本資本を活用する計画だ。
原発政策を転換しSMR中心で大規模な拡大に乗り出す背景には人工知能(AI)の好況に伴うデータセンターの増設がある。データセンターの電力消費は最近10年間で3倍に増加し、今後5年間で再び2~3倍増えると予想される。米国は電力需要に対して供給が最大20%不足する可能性があり、これは中国とのAI開発競争に障害になる可能性がある。
SMRは大型原発に比べて発電出力は小さいが工場で大量生産でき、データセンターの隣に設置できる。Amazonなどビッグテック企業も投資を計画している。米国では2050年まで300基以上のSMRが建設されるという予測も出ている。またラトニック長官は「データセンターの建設と半導体事業の成長により米国は電力を必要としている」とし、「特に原発には優れた投資機会があり、日米両国の長期的な利益に役立つ」と述べた。
SMRは約20か国で開発計画が進行中だが、商業運転を目指して実際に建設が進んでいるのは中国やカナダなど一部の国に限られている。特に最近10年間、世界で着工された大型原発の90%は中国産またはロシア産だ。日本と米国は次世代原発であるSMR共同投資を通じて人材と技術面で反撃に出る計画だ。日本側は米国で投資した原発が事故を起こした場合の賠償責任を懸念しているが、米国の高官は「これは米国の原発事業であるため、日本に賠償責任は全くない」とし、「最終交渉過程で日本側の不安を解消する」と伝えた。

















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