
米国とイランの終戦に向けた了解覚書(MOU)締結合意について、米与党・共和党と野党・民主党は一斉に懸念を表明した。共和党の対イラン強硬派は「イランは信頼できない」とし、今後60日間の交渉を通じてイランの核放棄などを確実に勝ち取らなければならないと主張した。民主党では、原油高による経済不安・膨大な戦費・不透明な核交渉の見通しなどを理由に「トランプ政権の外交失策だ」と批判を強めている。11月の米中間選挙を前に、支持率回復を狙う米国のドナルド・トランプ大統領が一方的な譲歩を重ねているとの見方を示している。
共和党「イランは信じられない」
トランプ大統領の側近でありながら対イラン強硬派として知られるリンジー・グラハム共和党上院議員は、合意発表直後に「X」を通じて「今回の合意に対するイランの見解が、米交渉団の説明と食い違っているように見える点が懸念される」と表明した。まもなく始まる後続交渉については「注意深く見守る」としている。イランの核能力抑制や濃縮ウランの希釈といった核心的争点をめぐり両国がそれぞれ自国に有利な主張を展開している現状への懸念を示したものとみられる。
グラハム議員はとりわけ、イランとの核合意は議会の審査と採決を経ることが法律で明文化されている点を強調した。今後60日間のイランとの交渉で、共和党強硬派が納得できる成果を出さなければならないという強い圧力がかかっていることを示した発言だ。
トランプ政権1期の副大統領を務めたマイク・ペンス前副大統領も、保守系メディア「NewsNation」のインタビューで「私はとにかくイランを信じない」と述べ、イランへの不信感をあらためて示した。FOXニュースの司会者マーク・レヴィン氏は「イランが核ミサイルを手にした北朝鮮の轍を踏もうとしているように見える。北朝鮮と比べても、今回の合意は状況がはるかに深刻だ」と訴えた。
民主党「オバマ合意より後退」
民主党のバラク・オバマ前大統領は、自身の政権時代の2015年にイランと締結し、トランプ大統領が2018年に破棄した核合意(JCPOA)を超える成果を上げることは難しいとの見方を示した。14日の米ABCテレビのインタビューで「われわれが結んだ合意(JCPOA)と比べ、大きな成果を上げられるのか疑問だ」と語った。
セス・モウルトン民主党下院議員も今回のMOUを、米国がイランに差し出す「事実上の降伏文書」と切り捨てた。ジャック・リード民主党上院議員は、今回の戦争で米兵14名が命を落とし、数千億ドルに上る戦費が費やされたにもかかわらず、トランプ大統領が自身の80歳の誕生日に合意を発表したことを問題視した。「大統領への非常に高くついた誕生日プレゼントだが、オバマは戦争なしにトランプより多くを得ていた」と皮肉った。
政治コンサルティング会社「ユーラシア・グループ」のイアン・ブレマー代表は「X」で今回のMOUを「トランプ政権の外交政策における最大の失敗」と断じた。イランの核開発や弾道ミサイル計画、中東の武装勢力への支援がまったく解決されず、イランの神権政治体制が存続しているにもかかわらず、米国が経済的見返りまで提供してMOU締結に踏み切ったことを批判している。














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