
人工知能(AI)ブームがデータセンター向けのエネルギーインフラ構築競争を引き起こし、米国の電力・ユーティリティー業界における企業買収・合併(M&A)が過去最大規模へと急増している。
29日(現地時間)のフィナンシャル・タイムズ(FT)によると、今年1〜5月のアメリカ電力・ユーティリティー業界のM&Aの取引規模は2,036億ドル(約33兆1,300億円)で過去最大を記録した。これは昨年の年間取引規模である1,417億ドル(約23兆1,000億円)を40%以上も上回る水準だ。
データセンターへの投資も急増している。今年1〜5月のデータセンター投資規模は1,515億ドル(約24兆6,600億円)で、前年同期687億ドル(約11兆1,800億円)の2倍以上となった。昨年の年間データセンター投資規模は3,210億ドル(約52兆2,400億円)だった。
今年最大の取引はネクステラ・エナジーによるドミニオンの買収で、企業価値は1,120億ドル(約18兆2,300億円)に達した。続いてブラックロックのグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)とEQTによるAESコーポレーションの買収が330億ドル(約5兆3,700億円)規模でその後に続いた。
フィナンシャル・タイムズは、AIの普及によりデータセンターの電力需要が急増し、発電所や送電網といった電力インフラ投資のための資金調達需要が高まっていると分析した。ユーティリティー企業は、数十億ドル規模の設備投資を賄うために規模の拡大を図っており、非中核資産の売却や大型のM&Aを通じて投資資金を確保している。
さらに、安定したキャッシュフローを期待するプライベート・エクイティ・ファンドやインフラファンドまでもがこの動きに加わり、取引がさらに活発化している。
ただし、アナリストらは電気料金の負担に対する政界の懸念が高まっているため、M&Aの急増が規制当局の追加審査を受ける可能性があると指摘した。アメリカ全土の電気料金は昨年より9%上昇しており、ドミニオンの事業地域であるバージニア州では15%、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州ではそれぞれ8%上昇した。
消費者団体はM&Aがユーティリティー企業の独占力を強化し、投資コストを消費者に転嫁することで、最終的に電気料金の値上げにつながりかねないと懸念している。一方、業界側は規模の経済によってコストを削減し、消費者へのメリットも拡大できると反論している。














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