
学校の健康診断で、女子生徒がブラジャーを着けたまま受診できるかどうかが議論を呼んでいる。政府はプライバシー保護のための指針を設けたものの、具体的な基準は示されておらず、学校現場では対応のばらつきが続いている。
毎日新聞は4日、毎年実施される学校の健康診断を巡り、「子どもは下着を着けたまま受診できないのか」という疑問や懸念が保護者の間で高まっていると報じた。
文部科学省は2024年1月、生徒の心理的な負担やプライバシーに配慮した健診の実施を求める指針を全国の教育委員会に通知した。指針には、健診の際に体操服や下着を着用したり、タオルで体を覆ったりできるよう配慮することが盛り込まれた。しかし、上半身の下着を外すかどうかについての細かな基準までは明記されておらず、学校ごとに対応がまちまちなのが実情だ。
実際、現場での運用は大きく分かれている。日本学校保健学会が2025年に実施した調査では、生徒のプライバシー保護のため、服を着たまま健診を行っていると回答した学校は87.4%に達した。待機スペースに仕切りを設置したり、体操服やタオルで体を覆えるよう配慮したりしている学校も52.3%に上った。
一方、政府の通知後も、上半身を露出した状態で健診を実施している学校は少なくない。衣服や下着を着用したまま健診を行うと、脊柱側弯症などの骨格異常を発見しにくくなるほか、聴診器による心音の確認にも支障が生じる可能性があると、医療関係者が懸念しているためだ。
これについて文部科学省の担当者は「着用している衣服が正確な診断の妨げになる可能性がある以上、一律に下着を着けたままでよいとは断定できない」とし、「学校と担当医、保護者が十分に話し合い、合理的な共通理解を築く必要がある」と述べた。
専門家は、生徒の心理的な抵抗感を軽減しながら、健診の正確性も確保できる折衷案が必要だと指摘している。
日本性教育協会会長でもある筑波大学の野津有司名誉教授は「今回の事案は、思春期の生徒にとって極めてデリケートな問題であることを学校は認識しなければならない」とした上で、「健診の過程で羞恥心や不安を覚えれば、その後は健診そのものを避けるようになるおそれがある」と語った。
そのうえで「医学的な必要性は認めるが、細かな配慮によって代替策を見いだしている学校もある。生徒の保護と正確な診断の両立を図る必要がある」と助言した。













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