「これまでで最大の攻撃」はどこへ消えた...米軍トップの一言で“爆撃計画が凍結”
米統合参謀本部議長「戦闘を拡大すれば迎撃ミサイルが危険な水準まで枯渇」
パトリオットを1,200発以上消費…多段階の大規模空爆計画をいったん保留

ドナルド・トランプ米大統領が「これまで以上に大規模な攻撃」を予告し、対イラン戦争の拡大を検討したものの、米軍の防空ミサイル不足に対する懸念から、計画をいったん保留したと伝えられた。
イランを攻撃するための戦力は十分にある一方、その後に予想される報復攻撃から中東に駐留する米軍を守る迎撃ミサイルが不足していることが、作戦承認の足かせになったという。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は25日(現地時間)、トランプ大統領が前日、ホワイトハウスで側近や閣僚らと非公開会議を開き、対イラン軍事作戦の拡大案について協議したと報じた。
関係者によると、ダン・ケイン米統合参謀本部議長は会議で、大規模な戦闘作戦を再開すること自体は可能だと報告した。
ただし、戦闘を拡大した場合、米中央軍が保有するパトリオット迎撃ミサイルやその他の防空弾薬が、危険な水準まで減少する可能性があると警告したという。
米軍はヨルダンやクウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)などに兵力や軍事基地を配置している。これらの施設は最近2週間、イランによるミサイルやドローン攻撃の標的となってきた。
米国が大規模な空爆に踏み切れば、イランも報復の規模を拡大する可能性が高く、それに伴って米軍が使用する迎撃ミサイルの数も増えることになる。
トランプ大統領はこうした軍首脳部の評価を受け入れ、大規模爆撃計画をいったん保留したと伝えられた。
ホワイトハウスは外交的な解決を優先する一方、イランがホルムズ海峡や米国の同盟国を攻撃した場合には、あらゆる選択肢を維持するとの立場を示している。
「大規模攻撃の準備は完了した」と語っていたトランプ氏

トランプ大統領は会議前まで、戦闘拡大の可能性を公然と強調していた。
23日には米インターネットメディア「アクシオス」のインタビューで、「大規模な攻撃を検討している」と述べ、「これまでのどの攻撃よりも大きく、すでにすべての準備を終えている」と語った。
米国防総省も実際の作戦に備え、空中給油機をはじめとする追加戦力や武器、軍需物資を中東地域へ移動させていた。
一部の米国防総省当局者や米軍指揮官は、トランプ大統領が多段階にわたる爆撃作戦の第1段階を承認する可能性があるとみていたという。
米軍が策定した作戦案には、イラン沿岸部のレーダーや対艦ミサイル発射台、小型攻撃艇などを最初に攻撃する案が含まれていたと伝えられた。
米国防総省は、これらの戦力がホルムズ海峡を航行する商船への攻撃や威嚇に使われていると判断している。
さらに、鉄道橋やエネルギー施設、核施設を追加攻撃する案も検討対象に含まれていた。イランがナタンズ近郊の山岳地帯に建設している地下核施設「ピックアックス山」も、潜在的な攻撃対象として挙げられた。
しかし、トランプ大統領は会議後、大規模作戦の承認を見送った。攻撃そのものが成功するかどうかより、その後に予想されるイランの報復攻撃に耐えられる防空能力の方が、より大きなリスクとして浮上したためだ。
実際、今月17日にはヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地で、イランの弾道ミサイル1発が米軍の防空網を突破した。この攻撃で米兵3人が死亡した。
米軍がイランのミサイルやドローンを大量に迎撃する中、防空ミサイルの消費も増え続けている。
パトリオットを1,200発以上消費…戦闘拡大の負担増す

米国防総省は今年4月までに、対イラン戦争でパトリオット迎撃ミサイルを1,200発以上使用したと伝えられている。
迎撃ミサイル1発の価格は400万ドル(約6億5,500万円)を超える。
その後、戦闘が再開され、イランによる攻撃が続いたことで、現在の在庫状況は当時よりさらに悪化しているとみられる。
パトリオットは、弾道ミサイルや巡航ミサイル、航空機などを迎撃する地上配備型の防空システムだ。
生産には長い時間がかかるうえ、米国は同じ兵器をウクライナや欧州、インド太平洋地域にも供給、配備しなければならない。
米軍が中東で迎撃ミサイルを過度に消費すれば、ほかの地域の防衛態勢にも影響が及ぶ可能性がある。
特に、中国との衝突に備えなければならないインド太平洋地域の戦力運用にも、負担を与えるとの懸念が出ている。
トランプ大統領の側近の間でも、戦闘拡大に反対する意見が優勢だったと伝えられた。
大規模な爆撃を行っても、イランを交渉の場へ引き出すどころか、国内の結束を強め、外部からの軍事的脅威への対抗姿勢を強化させる可能性があるためだ。
トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏を含む一部の側近は、全面的な軍事作戦ではなく、交渉と長期的な経済圧力を並行して進める案を支持しているという。
米国は最近、イランの港を出入りする船舶を対象とした海上封鎖を再開した。
米政府は、中国によるイラン産原油の購入量も、最近数カ月で約40%減少したと主張している。
米国は空爆を一時停止する代わりに、海上封鎖と制裁を通じて、イランの収入源を減らそうとしているとみられる。
米軍は13日連続で行っていた対イラン夜間空爆を、24日を境に停止した。
ただし、今回の決定は攻撃計画の撤回ではなく、一時的な保留に近い。
イランがホルムズ海峡で商船への攻撃を再開したり、米軍基地を再び攻撃したりした場合、トランプ大統領が大規模作戦案を再び持ち出す可能性は残されている。















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