ストレスは、私たちの心と身体に大きな影響を与える。強いストレスは脳機能にまで悪影響を及ぼし、業務の効率を下げ、認知機能を損なうこともある。ストレスを軽減する方法について見てみよう。
ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されると、脳の海馬が萎縮し、アルツハイマー型認知症のリスクが高まるという。
カナダ・マギル大学の研究によれば、コルチゾールの数値が高い人は海馬の体積が14％減少した。コルチゾールはセロトニンの生成を妨げ、うつ病の予防にも悪影響を与える。さらに、神経細胞間での信号伝達を担うシナプスを損傷させ、脳機能を低下させる原因にも繋がる。
ストレスが業務効率に及ぼす影響も無視できない。アメリカ・スタンフォード大学の研究チームは、ストレスが業務効率にどのように影響するかを調査した。実験の参加者たちは、仮想空間で目標地点に移動するタスクを行った。
あるグループには電気ショックの警告が与えられ、もう一方のグループには与えられなかった。電気ショックの警告を受けたグループは習慣的な動きを繰り返し、迷う傾向が見られた。一方、警告を受けなかったグループは、新しい近道を考えながら移動した。これはストレスが海馬と前頭葉の機能を低下させ、記憶の検索と使用を困難にすることを示している。
笑いはストレス軽減に効果的だ。アメリカ・インディアナ州メモリアル病院の研究チームによると、15秒間大笑いするだけでエンドルフィンや免疫細胞が活性化し、寿命が延びるという。18年間笑いについて研究してきたリバート博士は、「笑う人の血液を分析したところ、ウイルスやがん細胞を攻撃するNK細胞が活性化されることがわかった」と述べている。
マッサージもストレス解消に効果的だ。ドイツのコンスタンツ大学の研究によれば、10分間の首と肩のマッサージを受けた人はストレスや不安が大幅に軽減された。胸鎖乳突筋や後頭下筋を刺激すると、迷走神経が活性化し、幸福ホルモンの分泌が促される。
胸鎖乳突筋は鎖骨と耳の後ろを結ぶ筋肉で、頭を左に回すと首の右側で顕著に現れる部分がこの筋肉である。
ストレス緩和のためのマッサージでは、手を鉤状にして胸鎖乳突筋を10秒間優しく掴み、頭を反対側に回して再度10秒間掴むのが効果的だ。後頭下筋は頭の後ろで頭を支える小さな筋肉で、この部分をほぐすことで頭痛を和らげることができる。
両手を組んで後頭部を包み、親指で後頭部の下のくぼみを20秒間押すと良い。顎を引き、目を閉じるとさらに効果がある。瞑想と日光浴もストレス軽減に役立つ。瞑想は心を落ち着かせ、ストレスを軽減する。日光浴はビタミンDの生成を助け、気分を明るくし、免疫力も向上させる。
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