夏の厳しい暑さを乗り切るには、エアコンはもはや贅沢ではなく「必需品」と言える。
しかし、一日中つけっぱなしにするのは電気代が気になるし、かといってこまめにオンオフを繰り返すのも逆効果という話もあり、どう使うのが最も効率的なのか迷う人は多いだろう。
実は、エアコンの仕組みや消費電力の特徴を理解すれば、「損をしない使い方」のヒントが見えてくる。
頻繁なオンオフはかえって電力の無駄
節電のつもりで短時間ごとにエアコンを切ってまたつける、という使い方は、むしろ電力消費を増やす可能性がある。
エアコンは電源を入れた直後、室外機が強く稼働して一気に室温を下げようとする。その際の瞬間消費電力は非常に大きい。そのため、頻繁にオンオフを繰り返すと、毎回この急速冷房が発生し、結果的にトータルで多くの電力を使ってしまう。

急速冷房の後は「自動モード」や「弱風」で維持
エアコンを賢く使うコツは「冷やしてから維持する」スタイル。最初は強風・低温で部屋を一気に冷やし、その後は自動運転や弱風でキープするのが理想的だ。
最近のモデルには「エコモード」や「自動運転機能」が備わっているものも多く、室温に応じて電力を調整してくれるため、頻繁に電源を切る必要はない。むしろ一定温度を保ち続けた方が、電気代も抑えられる。
タイマー設定は「2~3時間」間隔がベスト
タイマーを活用する場合は、1時間ごとの細かい設定よりも、2〜3時間単位の方が効果的。
たとえば就寝前に2時間運転→自動停止、明け方に1時間再稼働というように組み合わせれば、電力の無駄を防ぎつつ快適な睡眠環境を保つことができる。扇風機を併用すれば、さらに効果的に涼しさを維持できる。

短時間の外出なら「切る」より「弱運転」がおすすめ
30分〜1時間程度の短い外出なら、完全にオフにするよりも弱運転やエコモードでつけたままにしておく方が合理的だ。
室温の上昇を抑えられるため、帰宅後に再び冷やすのに必要な電力も少なくて済む。特に日差しの強い時間帯は、カーテンやブラインドで直射日光を遮りつつ、低出力で冷房を維持することで、冷房効率はさらにアップする。
電気代と暑さ、どちらも我慢しない「維持型冷房」が正解
真夏のエアコンは「切るタイミング」より「どうキープするか」がポイント。1時間ごとにオンオフする節電法は逆に損になることもある。
電気代を節約しながら涼しく快適に過ごすには、頭を使った「冷房戦略」が何より重要だ。
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