
顔の「死の三角形」と呼ばれる部位のニキビをつぶしたことが引き金となり、重篤な感染症寸前まで陥った女性の体験談が注目を集めている。
13日(現地時間)、英紙「ザ・サン」によると、女性リンジーさんは自身のSNSでこの経験を公開した。彼女は顔にできたニキビをつぶした後、化粧で隠していたが、数日後に赤みと腫れが悪化したため病院を受診したという。
リンジーさんは「最初の病院で抗生剤を処方されたが改善せず、痛みと腫れがさらにひどくなったため再び病院へ行った」と述べ、「その後、臀部への注射と新しい薬を処方された」と振り返った。
医療スタッフからは「感染が脳に広がる可能性がある」と警告され、医師は翌日までに改善がみられなければ再受診するよう指示したという。
翌日、腫れはやや引いたものの強いピリピリ感は残っており、抗生剤を服用しながら休息や冷湿布、水分補給に努めたものの、食べたり飲んだりすることも困難な状態が続いた。

その後、感染が副鼻腔まで広がっていないか確認するためMRI検査を受けたが、結果は幸いにも異常は確認されなかった。「感染が脳や眼、副鼻腔などには広がっていないと言われた」と彼女は説明している。
最終的に、リンジーさんは多くのネットユーザーが予想していた「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と診断された。蜂窩織炎とは、細菌が真皮や皮下組織に侵入して生じる急性の炎症性疾患を指す。
蜂窩織炎は高齢者、免疫抑制状態の患者、末梢血管疾患を持つ人などに発症リスクが高く、感染部位の発赤、熱感、浮腫、圧痛などの症状が現れる。
リンジーさんは「追加の抗生剤治療で徐々に皮膚が落ち着き始めた。今は小さな痕が残っている程度で、これも時間が経てば消えてほしい」と語った。

今回の事態を招いた最大の要因は、ニキビが位置していた場所が「死の三角形」だった点にあるという。専門家によると、この部位は「眉間から鼻背上部を頂点に、上唇両脇の口角を底辺とする二等辺三角形の顔面領域」を指す。
この領域が危険とされるのは、周囲の血管が頭部内部へと通じており、感染が発生した場合には細菌が短時間で広範囲に拡散し、深刻な状態を引き起こす恐れがあるためだ。
専門家らは、リンジーさんのケースのようにニキビをつぶす行為が感染を悪化させ、蜂窩織炎などの重篤な皮膚感染症を招く可能性があると指摘。最悪の場合、脳にまで影響が及ぶ恐れがあるとして、安易にニキビをつぶさないよう警鐘を鳴らしている。













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