メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

日本の高齢ドライバーはなぜ免許を返すのか…“たった1万円”に縛られた韓国との決定的な違いとは

山田雅彦 アクセス  

日本の高齢運転者
運転免許自主返納制度
韓国を上回る理由は?

引用:Nikkei Asia
引用:Nikkei Asia

高齢運転者による交通事故は、長年にわたり社会問題とされてきた。それにもかかわらず、韓国では依然として場当たり的な対策にとどまっている。政府は免許返納者に数十万ウォン(約数万円)の交通カードを配布しているが、地方自治体も実効的な後続策を講じることなく、表面的な対応に終始しているのが現状だ。

一方で、日本は全く異なるアプローチをとっている。1998年の段階ですでに高齢運転者の問題に体系的に取り組み始め、実効性のある制度設計を行ってきた。そこには「運転をやめた人には生活面での支援が必要だ」という明確な認識が根付いている。

単なる金銭的な補助にとどまらず、移動手段の確保、文化活動へのアクセス、生活支援に至るまで、多面的なプログラムが整備された結果、制度開始当初は年間1万件にも満たなかった免許返納件数が、現在では年間30万〜40万件に達している。「補償」ではなく「生活の権利を守る」発想こそが、制度を支える中核になっている。

引用:SMEC
引用:SMEC

日本の恩恵パッケージ
自発的返納を後押し

日本では高齢者が自ら進んで免許を返納できるよう、多彩な恩恵パッケージが用意されている。公共交通機関が整っていない地域では、生活必需品の無料配送サービスや、移動手段としてのタクシークーポン(月1〜2回分)などが提供されている。公共交通の無償利用券は基本中の基本だ。

都市部においては、文化公演の招待券、医療機関での割引、車椅子の購入支援、遺影写真の撮影サービスなど、生活の質そのものを支えるようなプログラムが導入されている。こうしたきめ細かな支援策によって、高齢者は「運転をやめても生活が成り立つ」という実感を持てるようになっている。

結果として、日本では返納件数が急増。初期は年間1万件にも満たなかったが、現在では年間30万〜40万件という規模になっている。「わずかな補償」ではなく、「人生の安心」を提供する制度設計が、文化として根づき始めている証拠だ。

引用:ソウル消防災難本部
引用:ソウル消防災難本部

韓国での免許返納は
事実上の“孤立”を意味する

一方、韓国では未だに約10万ウォン(約1万円)分の交通カードを渡す程度の対策しかなく、免許返納を真に促す仕組みとは言いがたい。特に地方に住む高齢者にとって、車を手放すことは即ち外出の自由を失うことを意味し、実質的には生活の孤立を招く要因となっている。

問題は、支援が乏しいだけではない。その方向性自体が誤っている。単なる金銭補助ではなく、日本のように公共交通の無料化、タクシー利用の支援、生活物資の配送、医療サービスへの割引など、日々の暮らしを包括的に支える制度が求められている。

「少額の金で運転をやめさせよう」という発想は、すでに限界を迎えている。高齢者が安心して免許を返納できるようにするには、「運転しなくても困らない」という確信を与える環境整備が不可欠だ。日本はその道を着実に歩んできた。我々も今こそ、見せかけではなく、実際の生活に根ざした支援政策を構築すべき時ではないか。

山田雅彦
yamadam@kangnamtimes.jp

コメント0

300

コメント0

[モビリティー] ランキング

  • あなたのブレーキが早く減る理由…寿命を縮める「5つの悪い運転習慣」とは?
  • 「差した瞬間、爆発!」テスラ車の充電でアダプターが粉々に…“非認証製品”使用に警鐘
  • 「終章のトゥアレグ」フォルクスワーゲンがICEモデルに別れを告げる…23年の軌跡と新たな出発
  • 【BYD苦戦】日本上陸2年でシェア0.1%未満、次の切り札は「軽EV」
  • 【日産】新型「アリア」が再出発…曲線で磨かれた“新フェイスとV2L機能”で進化
  • 「4輪じゃ物足りない」ヤマハ・トライセラ プロトタイプ公開…全輪操舵の3輪EVが常識を粉砕!

こんな記事も読まれています

  • EVバッテリーを10年長持ちさせる「充電の黄金ルール」…知らないと寿命が縮む?
  • BYD、“日本軽自動車市場”に参入…電動ボックスカー「日本専用モデル」の登場か
  • 特別仕様「カローラクロス・那須エディション」公開…トヨタが描く“新しい冒険のカタチ”
  • あなたのブレーキが早く減る理由…寿命を縮める「5つの悪い運転習慣」とは?
  • 「止まっていた時計が動き始めた…」東日本大震災で行方不明の少女、14年半ぶりに“家族の元へ”帰還
  • 【戦略的連携】高市首相、トランプ大統領と初電話会談、「日米同盟をさらに強化」で一致
  • 「愛国者であり友人」トランプ絶賛!米軍兵士の“給与危機”に198億円寄付した“隠遁の億万長者”に全米注目!
  • 【核戦力誇示】プーチン氏、巡航ミサイル「ブレヴェスニク」最終試験完了!射程無制限で“米防衛網”突破か

こんな記事も読まれています

  • EVバッテリーを10年長持ちさせる「充電の黄金ルール」…知らないと寿命が縮む?
  • BYD、“日本軽自動車市場”に参入…電動ボックスカー「日本専用モデル」の登場か
  • 特別仕様「カローラクロス・那須エディション」公開…トヨタが描く“新しい冒険のカタチ”
  • あなたのブレーキが早く減る理由…寿命を縮める「5つの悪い運転習慣」とは?
  • 「止まっていた時計が動き始めた…」東日本大震災で行方不明の少女、14年半ぶりに“家族の元へ”帰還
  • 【戦略的連携】高市首相、トランプ大統領と初電話会談、「日米同盟をさらに強化」で一致
  • 「愛国者であり友人」トランプ絶賛!米軍兵士の“給与危機”に198億円寄付した“隠遁の億万長者”に全米注目!
  • 【核戦力誇示】プーチン氏、巡航ミサイル「ブレヴェスニク」最終試験完了!射程無制限で“米防衛網”突破か

おすすめニュース

  • 1
    「地中で1200年眠っていたパン」に“イエス・キリスト”が浮かぶ!?…トルコで“奇跡のパン”発見

    トレンド 

  • 2
    「女性看護師の制服の下に隠された真実」…2か月の嘘を暴いたのは‟一人の患者”だった

    トレンド 

  • 3
    人工視力が現実に! 欧州で38人の失明患者が光を取り戻す快挙

    健康 

  • 4
    「モンベル=韓国人ブランド」化!? 福岡で起きた“逆輸入トレンド”の正体

    ライフスタイル 

  • 5
    “ゴキブリ退治”で大惨事! ライターと殺虫剤使った20代女、火災で隣人死亡

    ニュース 

話題

  • 1
    亡くなった乗務員に“病気休暇証明を提出せよ” エバー航空の対応に台湾で怒り爆発

    ニュース 

  • 2
    コロナを救ったアルコールが今度は“有害物質扱い”!? EUで論争激化

    健康 

  • 3
    二日酔いなしで“ハイ気分”? 米国で爆発的人気の「大麻飲料」文化が拡大中

    ニュース 

  • 4
    金正恩そっくり男、“命懸けのパロディ”で独裁を挑発! 中国系活動家の素顔

    おもしろ 

  • 5
    TikTokで“抗うつ剤チャレンジ”流行!? SNSが薬を流行に変えた危うい現実

    ニュース 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]