BMW・iX3 フルモデルチェンジのテストカー登場
ノイエ・クラッセの最新デザインを反映
航続距離は驚異の800kmか

BMWが次世代EV「iX3」の最終量産準備に入った。今回のフルモデルチェンジは、電気自動車専用の新プラットフォーム「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」をベースに開発されており、2024年9月開催のミュンヘンモーターショーでの世界初公開が予定されている。
最近目撃されたテストカーは、通常モデルではなく、高性能なMパフォーマンス仕様と推測されている。ヘッドライトおよびテールライトは量産型に近いデザインへ変更され、ビジョン・ノイエ・クラッセ・コンセプトでも使用されたエアロダイナミクスホイールが装着されている。特に前部バンパーの造形やサイドスカートの張り出しからは、この車両がMパフォーマンスラインである可能性を強く示している。

強調されたサイドスカート
iX3「M」がついに現実に?
BMWは新型iX3に、シングルモーターとデュアルモーターの両仕様を用意する予定であり、Mパフォーマンスモデルには後者が採用される可能性が高い。最大出力はおよそ600馬力とされており、現行「X3 M50」の後継機種と目されている。
Mモデルらしく、より硬めでローダウンされたサスペンション設定や、走行性能に特化したモード、専用チューニングを施したシャシーなどが組み込まれる見通しだ。BMWならではの精緻なステアリングフィールと電子制御AWDの組み合わせにより、他の電動SUVとは一線を画すドライビングエクスペリエンスが期待されている。
なお、テストカーがボンネットを開けた状態で撮影されたことで、駆動系パーツがエンジンルームに収まっており、現段階ではフロントトランク(フランク)が存在しないことも判明している。ただし、量産型では収納スペースの追加が想定されている。

ノイエ クラッセ
iX3が新時代の幕を開ける
ドアハンドルには、一般的なポップアウト式のメカニズムが採用されている。ビジョン・ノイエ・クラッセ Xのピン型ほど斬新ではないが、十分に未来志向の意匠として評価されている。この設計は、将来的に登場が予定されている「iX5」や「i3セダン」などにも継承される見通しだ。
新型iX3は、ノイエ・クラッセ哲学を初めて量産EVとして体現するモデルであり、BMWの電動化戦略における中核を担う存在となる。800Vの高電圧システムにより充電性能が向上し、次世代高密度バッテリーの採用により、最大800kmの航続距離を実現する可能性がある。
BMWはこのiX3を皮切りに、「i3セダン」や「X5/iX5」の後継モデル、さらに高性能なMバージョンの順次発表を予定している。iX3の量産は2025年後半に開始される見通しであり、BMWのEVラインナップに革新をもたらす重要な節目となりそうだ。