
ボルボは2030年までの完全EV化計画を一部見直したものの、「電気自動車が自動車産業の未来であることは明白だ」と強調している。とりわけ中国のEVブランドがグローバル市場で影響力を拡大する中で、一部の欧米ブランドが淘汰される可能性にも言及した。
4月にボルボのCEOに復帰したハカン・サムエルソン氏は、過去10年間ボルボを率いた後に2022年に退任したが、厳しい市場環境の中で再び会社を軌道に乗せるため、2年契約で復帰した。
サムエルソン氏はブルームバーグのインタビューで「自動車産業の電動化は不可逆的な流れだ」と述べ、「新たな強者が現れるだろう」と語った。

同氏は「自動車産業はEV中心へ移行する。地域でペースに差はあるものの、全体の方向性は明確だ」とし、「約10年後にはすべての自動車が電気自動車となり、価格も下がるだろう。かつてのフォード、GM、トヨタ、フォルクスワーゲンのように、新たな強者が台頭するだろう」と予測した。
さらに「新たな市場では2〜3の強力な中国ブランドが台頭する」と述べ、「既存のブランドは再編を免れず、適応して生き残る企業もあれば、そうでない企業も出てくる」との見方を示した。
ボルボは生き残りを懸け、電気自動車とプラグインハイブリッド車に積極投資している。サムエルソン氏は「プラグインハイブリッドは、EVの充電インフラが完全に整うまでの重要な橋渡し役を果たす」と説明し、「EVが完全に主流となるのは2030年以降になる可能性がある」と明かした。

ボルボは中国の吉利汽車の子会社という立場にある。吉利はロータス、ジーカー、ポールスター、リンク&コーなど多様なブランドを擁し、EV市場をリードしている。サムエルソン氏は「中国の自動車産業が強まるにつれて、吉利との連携の価値も高まる」と強調した。
同氏は「中国ブランドはすでに中国市場の半分以上を占め、欧州市場にも進出している。これは欧米ブランドに大きな圧力になる」とし、「良くも悪くも、中国は将来の自動車産業における主要プレイヤーとなる」と付け加えた。
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