
トヨタ自動車は日本製鉄など鉄鋼大手3社から、環境負荷の低い「グリーンスチール」の調達を開始した。既存製品より約40%高価であるにもかかわらず、政府補助金を活用して消費者負担を軽減できると判断したとみられる。鉄鋼業は日本の産業全体におけるCO2排出量の40%を占めるため、この措置はグリーン投資を促進すると予想されている。
グリーンスチールは製鉄工程の改善を通じて実際に達成したCO2削減量を割り当てることで、低炭素で生産されたと認められる鉄鋼製品である。特に石炭を使用する高炉から電気を使用する電炉に転換すると、CO2排出量を約4分の1に削減できる。
トヨタは2025年末に日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼の3社からグリーンスチールの購入を開始した。これを購入した企業はCO2削減を証明する書類が発行されるほか、自社製品の削減分として認められる。日本政府はグリーンスチールを使用するプラグインハイブリッド車(PHV)と電気自動車(EV)に1台当たり最大5万円を支援する事業を今年から開始した。トヨタはこれらの車種の部品にグリーンスチールを使用することで、補助金を通じて消費者の価格負担を最小限に抑える戦略を掲げている。
自動車業界では日産自動車といすゞ自動車に続き、トヨタがグリーンスチールを採用することとなった。世界販売1位のトヨタによる今回の決定は、全産業にわたって大きな波及効果をもたらすと予想される。
日産は2022年度に日本の自動車大手として初めて量産車種にグリーンスチールを導入し、2026年1月末にはJFEスチールが日産の新型「リーフ」にグリーンスチールが採用されたと発表した。日産は2025年度にグリーンスチールの使用量を2023年度比で約5倍に拡大する計画である。いすゞ自動車も今年4月に電動トラック部品にグリーンスチールを採用すると発表した。ただし、トヨタが3社から調達したグリーンスチールの正確な量は公開されていない。
従来、自動車用鋼材の生産には鉄鉱石から酸素を除去して純度の高い鉄を抽出する高炉方式が使用されてきた。この工程で燃料と還元剤として大量の石炭が消費されるため、鉄鋼業では膨大なCO2を排出する。低炭素社会の実現には製鉄過程の根本的な変革が不可欠となっている。
鉄鋼メーカーは高炉を代替する工程として電炉投資を拡大している。日本製鉄は2022年に瀬戸内製鉄所で年間生産能力70万トンの電炉を稼働させ、JFEスチールも今年中に東日本製鉄所千葉地区に電炉を導入する予定である。鉄スクラップは不純物含有のため高品質鋼材の生産が難しいと認識されていたが、最近は鉄鋼メーカーの電炉技術が急速に進展している。日本製鉄は電動車モーターなどに使用される高級鋼材でも、既存の高炉製品と同等の品質を達成した。
日本製鉄は8,687億円を投資して日本国内3か所に年間総300万トンの生産能力を持つ電炉を新設し、2028〜2029年度に稼働する計画である。JFEスチールも3,294億円を投資して西日本製鉄所の高炉を年間200万トン規模の大型電炉に転換し、2028年度に稼働する見通しだ。
自動車産業は日本製造業全体の一般鋼材消費量の約50%を占める主要需要先である。最大需要者であるトヨタのグリーンスチール導入は、建設業を含むさまざまな産業でグリーンスチールの採用が拡大する契機になると「日本経済新聞」は分析している。













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