
トヨタの豊田章男会長が競合の日産車を直接プロモーションする異例の姿が話題を集めている。
トヨタの豊田章男会長が競合メーカーの新型車を公の場でPRする異例の光景が、国内自動車業界の注目を集めている。
豊田会長は、富士スピードウェイで開催された富士24時間レースの会場で日産・ムラーノの旗を振る映像をトヨタが公開した。

「日本の消費者にも使ってほしい」
豊田会長は映像のなかでムラーノを直接紹介し、「アメリカで生産された車を日本に持ってきた」「国内消費者にもたくさん利用してほしい。日産・ムラーノだ」と語った。
トヨタの最高経営陣が競合車両を公然と取り上げてエールを送るのは極めて異例のことで、映像の公開直後から国内外の自動車ファンの間で大きな話題を呼んだ。
日米間の貿易交渉が背景に
今回のプロモーションには、最近の日米間の貿易交渉が背景として作用している。国土交通省は2026年2月、米国製乗用車の新たな認定制度を創設し、米国基準を満たした車両について国内での型式認証手続きを簡略化する措置を設けた。これを活用して、日産はテネシー州スマーナ工場で生産したムラーノを日本市場に導入する。

トヨタもカムリ・ハイランダー・タンドラなど米国生産車の国内投入を進めており、業界では豊田会長が今回の映像でこの流れを肯定的に示したとみている。
なお、日本は右ハンドル車の国であるため、左ハンドルのムラーノの初回出荷はわずか300台にとどまる見通しだ。

競争を超えた協力関係を強調
豊田会長は普段から競合ブランドに対する敬意を示している人物として知られている。豊田会長は昨年の東京オートサロンで個人所有のスズキ・ジムニーをスズキブースに展示したほか、トヨタはマツダやスバルとともにカーボンニュートラル燃料に基づく内燃機関の開発協力を推進している。
業界では今回のムラーノのプロモーションも、競争よりも自動車産業全体の発展を重視するという豊田会長の姿勢が表れた事例として評価されている。また、急変する市場環境のなかでメーカー間の協力関係がいっそう重要になっていることを示す事例との見方もある。













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