アルピーヌA110、華麗に復活へ
ガソリンモデルは来年初めに生産終了へ
500馬力超の出力を見込む

フランスのスポーツカーブランド「アルピーヌ」は、2026年にA110を電気自動車として再登場させる。ガソリンモデルの有終の美を飾った後、完全な電動スポーツカーとして再生を果たす見通しだ。
ルノーグループ傘下の高性能ブランドとして知られるアルピーヌは、創立70周年を記念し、軽量化の理念を再確認する動画を10日(日本時間)に公開した。この映像は、アルピーヌの歴史と今後の方向性を象徴するものとなっている。


電動A110、2026年初披露へ
独自開発プラットフォームで攻勢
アルピーヌは2026年のパリモーターショーで次世代A110の電動クーペを初披露する予定で、現在その開発を進めている。生産はこれまで通りディエップ工場で行われ、軽量設計や走行性能といった伝統的特徴を継承しつつ、最新の電動技術と現代的なデザインを融合させたモデルとなる。A110のガソリン車は2026年初頭に生産終了予定で、電動化戦略が本格化する。
当初はロータスとの共同開発だったが、2年後に独自開発へと方針を転換。ルノーグループは自社資金で「アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)」を構築し、この基盤をもとにA290やA390といった電動モデルを次々と投入している。既存モデルの完売実績もあり、ブランドへの注目が国内で高まっている。

500馬力超の電動A110
軽量APPでブランド継承
アルピーヌのCEOフィリップ・クリフは、70周年イベントで次世代A110の詳細を発表し、APPプラットフォームと2基のインホイールモーターにより500馬力超の出力を実現すると述べた。APPは高剛性のアルミ押出構造と800Vアーキテクチャを採用し、軽量かつ急速充電対応を両立。車重は1,450kg未満を目標に、航続距離は最大600km、車高は1.3m以下とする計画だ。
次世代A110は、電動SUV「A390」で実績のあるAmpR Medium改良版を基に開発され、共通のデザイン要素を持つ一方、A110はアルピーヌの象徴としてブランド哲学を色濃く反映する。今後の電動スポーツカーもこのアイデンティティを継承しつつ、細部は電動化時代に即した刷新が加えられる予定だ。
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