韓国の汚い内視鏡検査…洗浄・消毒をせず、使い捨ての付属器具を使い回していた

直近5年余りの内視鏡器具消毒点検の結果、593か所の国家健康診断機関にて「不適切」判定が下されたことが明らかになった。不適切と判定された機関のほとんどはクリニックレベルの医療機関であった。

23日、国会保健福祉委員会所属「国民の力」党のペク・ジョンホン議員が国民健康保険公団から受け取った資料によると、2019年から今年9月までの間に国家健康診断機関の28,783か所を対象に実施された胃・大腸内視鏡消毒点検の結果、2.1%に当たる593か所にて「不適切」判定が下されたという。

内視鏡器具の洗浄や消毒を行っていなかったり、使い捨ての付属器具を再利用し規定に違反した場合には「不適切」判定となる。内視鏡の種類別に見てみると、胃内視鏡器具の消毒点検で不適切と判定された医療機関は375か所で、そのうちクリニックレベルの医療機関が82.9%（311か所）と大半を占めていた。また、大腸内視鏡器具の消毒点検で不適切と判定された医療機関は218か所で、そのうちクリニックレベルの医療機関は76.6%（167か所）であった。

内視鏡器具の洗浄消毒料請求額は、2019年の741億ウォン（約81億円）から2023年には829億ウォン（約91億円）と、16.1%増加したことが明らかになった。健康保険公団の消毒マニュアルによると、内視鏡消毒に使用する高水準消毒液はほとんど再利用が可能であるという。

ただし、消毒液を長時間繰り返し使用する場合、消毒効果が低下するため、濃度検査を通じて最小有効濃度を維持できない消毒液や有効期限が過ぎた消毒液などは廃棄しなければならないとされている。しかし現在、保健福祉部の告示には消毒液の曝露時間や種類、洗浄方法のみが記載されており、消毒液の廃棄に関する内容はないため、この内容を追加する必要があるとの指摘が出ているという。

ペク議員は「無理な消毒液の再利用と適切に消毒されていない内視鏡器具の使用により、内視鏡検査を受ける患者が疾病に感染する恐れがある」とし「福祉部と健康保険公団は内視鏡消毒液の再利用および廃棄に関する指針を整備し、内視鏡消毒の実態に対する管理・監督を強化すべきだ」と述べた。