メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

エヌビディアCEO、セガへの「恩返し」を語る 初期の挫折から500万ドルの投資で築いた成功の軌跡

荒巻俊 アクセス  

「エヌビディアの始まりはセガとともにありました。セガはエヌビディアに最初の大きなチャンスを与えてくれたからです」

大手ゲーム企業「セガ」が最近YouTubeで公開した動画が、グローバルIT業界で注目を集めている。その理由は、世界で最も多忙な人物の一人とされるエヌビディアCEOのジェンスン・フアン氏が「鶴の恩返し」を自称し話題となったからだ。動画の中でフアン氏は、「エヌビディア初の半導体『NV1』を『バーチャファイター』に採用できた」と述べ、「今年はバーチャファイター30周年を祝福したい」と感慨深げに語った。

フアン氏は、ゲーム用グラフィックス処理装置(GPU)を人工知能(AI)学習用に進化させ、現在、世界のAI産業を牽引する存在となっている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、彼がセガに祝電を送った経緯は2017年に遡る。当時、セガのアメリカ法人CEOを退任し、コンサルティング会社を経営していた入交昭一郎氏が、苦労してフアン氏のメールアドレスを見つけ、20年ぶりに以下のようなメッセージを送ったという。

「お忙しい中、失礼ではございますが、日本でAI関連のセミナーを企画しています。もし宜しければ来日して実業家向けに講演していただけないでしょうか。お読みいただき有難うございます」すると、フアン氏は翌日すぐに返信した。「エヌビディア創業期にセガと共に仕事ができたのは、私の人生で最も幸せな思い出の一つです。過去の借りは必ず返します。入交さんのためなら何でもさせていただきます」

この逸話は、フアン氏の人柄を最もよく表すものとして広く知られている。「恩は必ず返し、侮辱には必ず報いを与える」と言われるほど、フアン氏は創業期の苦難を革新の原動力にしたことで有名だ。セガはまさに恩を施した側である。1993年にエヌビディアを創業したフアン氏は幾度もの危機に直面した。1995年に「NV1」というゲーム用GPUを発売したが、多機能ではあるが高価格であったため、結果は惨憺たるものだった。販売数はわずか2,000個にとどまった。

電子業界の関係者は「フアン氏は1990年代に、世界の半導体・電子業界をリードしていた日米韓の主要企業をすべて訪問した」と述べ、「しかし、台湾系アメリカ人が立ち上げたスタートアップに注目する企業は少なく、ほとんどが門前払いだった」と語った。そして、最大の危機に直面したその時、セガが救いの手を差し伸べたのだ。セガの次世代ゲーム機向けの「N2」契約を獲得したのだ。しかし、結果的に当時PCのゲーム環境標準が変更され、ほとんどが廃棄処分となってしまった。その後、フアン氏は入交氏を訪ね、「今回の契約は履行できませんが、代わりにエヌビディアに投資していただければ、より優れたGPUを提供します」と語ったという。

入交氏は、本社を説得し、セガはエヌビディアに500万ドル(約7億7,600万円)を投資した。この資金でフアン氏は「RIVA 128」と呼ばれる3番目の「NV3」を開発し、大ヒットを記録した。エヌビディアは2022年までゲーム用GPUが主力事業であり、その売上の46%を占めていた。現在ではAIデータセンター向けAIアクセラレータ事業が圧倒的な比重を占めており、昨年第4四半期のデータセンター部門の売上比率は83%に達したと示している。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[IT・テック] ランキング

  • 「話すだけで伝わる」AirPodsに新機能、リアルタイム翻訳が始動…電話・FaceTimeでも対応
  • 米裁判所、サムスンのOLED特許侵害を認定…295億円の賠償命令
  • 「ウランを使わない」中国、ゴビ砂漠で“トリウム原子炉”実験に世界初成功…“核の常識”が変わる瞬間
  • 「中国軍、ロボットウルフを上陸訓練に投入」時速40キロで突撃する“鉄の獣”が示した、戦争の新時代
  • 「中国、第6世代戦闘機でアメリカを追い越す?」J-36試験飛行映像が示した“空の覇権争い”の新局面
  • 「非営利を悪用した」vs「捨てられた組織を育てた」マスクとオルトマン、AI覇権巡る泥仕合が“法廷決戦”へ!

こんな記事も読まれています

  • “ロケット!?”BOOSTモードで覚醒 ホンダが新型EV『Super-ONE』を初公開
  • 「センチュリーで日本の誇りを取り戻す」トヨタが誇りを懸けた新章、センチュリーが世界の舞台へ
  • 車のドアが凍らない?整備士が明かす「ヴァセリン」の魔法
  • 電気自動車ブレーキに潜む“時限爆弾”、知らぬ間に寿命半減
  • 「金がなければ死刑」イランで12歳婚の女性、虐待夫殺害で絞首刑の危機
  • 「笑う習近平」は危険信号?トランプの紙切れに爆笑、SNSでは検閲削除
  • 「トランプ、NVIDIAチップを中国に渡すつもりだった?」それでも頓挫した理由…そこににじむ“焦燥のアメリカ”
  • 【衝撃】ベネズエラ、暗号資産で2.6兆円を“洗浄”!国際制裁を出し抜いた“国家ぐるみの裏工作”

こんな記事も読まれています

  • “ロケット!?”BOOSTモードで覚醒 ホンダが新型EV『Super-ONE』を初公開
  • 「センチュリーで日本の誇りを取り戻す」トヨタが誇りを懸けた新章、センチュリーが世界の舞台へ
  • 車のドアが凍らない?整備士が明かす「ヴァセリン」の魔法
  • 電気自動車ブレーキに潜む“時限爆弾”、知らぬ間に寿命半減
  • 「金がなければ死刑」イランで12歳婚の女性、虐待夫殺害で絞首刑の危機
  • 「笑う習近平」は危険信号?トランプの紙切れに爆笑、SNSでは検閲削除
  • 「トランプ、NVIDIAチップを中国に渡すつもりだった?」それでも頓挫した理由…そこににじむ“焦燥のアメリカ”
  • 【衝撃】ベネズエラ、暗号資産で2.6兆円を“洗浄”!国際制裁を出し抜いた“国家ぐるみの裏工作”

おすすめニュース

  • 1
    NewJeansダニエル、裁判後の10キロマラソン完走近況報告にファン涙「本当に強い子」

    エンタメ 

  • 2
    「なら死ぬまで作品に出るな」辞めようとしていた俳優を一か月説得し主演に…オファー拒否から始まった友情に感動

    エンタメ 

  • 3
    「結婚より母のそばに」94歳の母を介護し続けた74歳の息子…2人で手を取り合いステージへ

    エンタメ 

  • 4
    EXO・ベクヒョン、ワールドツアー完走からラスベガスへ…世界が認めた“声の魔術師”の夢舞台

    エンタメ 

  • 5
    「ステージに戻りたい」メンバーの裏切りで転落した元アイドル、約2000万の借金を抱え再起を夢見る

    エンタメ 

話題

  • 1
    「なぜ曲がらない!?」高齢ドライバーが国道を“堂々逆走”!正面にトラック、あわや“正面衝突”の瞬間

    フォトニュース 

  • 2
    「兵庫で12台が次々衝突」1人死亡・15人負傷…帰宅ラッシュを襲った“連鎖事故”の衝撃

    フォトニュース 

  • 3
    “ロケット!?”BOOSTモードで覚醒 ホンダが新型EV『Super-ONE』を初公開

    フォトニュース 

  • 4
    「センチュリーで日本の誇りを取り戻す」トヨタが誇りを懸けた新章、センチュリーが世界の舞台へ

    モビリティー 

  • 5
    車のドアが凍らない?整備士が明かす「ヴァセリン」の魔法

    フォトニュース