暗号資産（仮想通貨）イーサリアム（ETH）が19日（米国時間）に2,000ドル（約29万9,681円）の水準を再び突破し、反発の兆しを見せている。
一部のアナリストは、イーサリアムの価格が底を打ち、本格的な上昇局面に入る可能性が高いと指摘した。
しかし、市場には依然として否定的な見方も残っており、価格の変動性が続く可能性があると予測されている。
イーサリアムは今月初めに2,000ドルを下回った後、着実な回復傾向を示している。
コインゲイプの分析によると、匿名の暗号資産アナリスト、マスターケノービ氏は最近X（旧Twitter）で、「イーサリアムの価格が底を打ち、今後強い反発が予想される」と述べた。
同氏は2020年と類似した価格パターンを提示し、当時の急落後に史上最高値を記録したことを強調した。また、「2020年に発生した急落とほぼ同じABCDEパターンが5年後にも繰り返されている」と指摘し、イーサリアムが過去の上昇トレンドを再現する可能性が高いと分析した。
さらに、長期的な強気ダイバージェンスが観察されており、下落圧力が徐々に弱まっていると付け加えた。
先にイーサリアムは2,000ドルを下回った後、売り圧力が極度に高まり、その結果、上場投資信託（ETF）から大規模な資金流出が発生した。
しかし最近、価格が反発し市場心理が回復しており、取引量の増加もこれを裏付けている。
一方で、イーサリアムが本格的な上昇局面に入ったと断言するのは時期尚早との見方もある。
スタンダードチャータード銀行は、今年のイーサリアムの目標価格を従来の1万ドル（約149万8,406円）から4,000ドル（約59万9,362円）に60%引き下げた。
また、分散型金融（DeFi）分野でも否定的な兆候が見られる。イーサリアム基盤のDeFiエコシステムでは、直近30日間で290億ドル（約4兆3,453億8,009万円）の資金が流出しており、投資家がイーサリアムネットワークから離れている可能性が示唆される。
イーサリアムの今後の価格変動は「ペクトラ・アップグレード」の影響を大きく受ける可能性が高い。このアップグレードが成功裏に進んだ場合、イーサリアムの価格が5,000ドル（約74万9,400円）まで上昇する可能性が指摘されている。しかし、技術的な問題が発生したり、市場の期待に応えられなかった場合、1,600ドル（約23万9,808円）まで下落する可能性もある。
20日（日本時間）午後4時時点で、イーサリアムは2,014ドル（約30万1,858円）を記録し、24時間で3.85%上昇した。24時間の取引量も87.25%増加し、198億8,000万ドル（約2兆9,795億1,335万円）を記録し、市場の注目を集めている。
専門家は、「イーサリアムがさらなる上昇を実現するためには、技術的アップグレードの成功に加え、DeFiエコシステムの安定した成長や機関投資家の継続的な資金流入が不可欠だ」と指摘している。
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