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「テスラ大ピンチ」粉飾決算か? 2023年下半期に発覚した14億ドルの会計不一致の真実

荒巻俊 アクセス  

引用:AP通信
引用:AP通信

アメリカの電気自動車企業テスラに粉飾決算の疑いが浮上している。2023年下半期、テスラの資本支出に対する資産評価額が14億ドル(約2,093億8,492万円)不足しているという指摘だ。単なる会計ミスの可能性もあるが、CEOのイーロン・マスク氏が最近、政府効率化省(DOGE)の業務に集中し、本業であるテスラの経営がおろそかになった結果ではないかとの見方が出ている。

「マスク、内部統制を失ったか」

ファイナンシャル・タイムズ(FT)は19日(現地時間)、昨年下半期のテスラの貸借対照表を分析した結果、テスラが「金融リースを除く不動産及び設備購入」に63億ドル(約9,422億3,213万円)支出した一方で、「不動産、工場及び設備」の価値は49億ドル(約7,328億4,721万円)しか上昇しなかったと指摘した。このため、14億ドル規模の会計上の不一致が生じたことになる。

ペンシルベニア大学ウォートン・スクールの会計学教授、ルジ・ヘイル氏は、「報告された数値が完全に合算されない場合、通常はこのような勘定(有形資産及び関連減価償却累計額)の純変動のみが見られ、進行中の詳細な取引が把握できないため」と分析した。テスラが一部の固定資産を売却したり、買収・合併(M&A)や為替変動があった場合に数字が合わない可能性があるという。ただし、テスラの長期資産の約80%が米国内にあるため、為替変動による調整は大きくないとの見方が主流だ。

この有形資産支出に対する資産価値上昇の乖離は、テスラの過去5年間の貸借対照表を見ても異例だとされている。昨年第4四半期のテスラの有形資産価値の上昇は支出に対して21億6,900万ドル(約3,243億9,706万円)少なかった。過去5年間、このギャップは7億2,700万ドル(約1,087億3,060万円)から-5億9,300万ドル(約886億8,947万円)の間で推移している。

FTは、この現象が「テスラの内部統制の脆弱性を示す危険信号である可能性がある」と指摘した。実際の資産価値に寄与しない運営コストを投資支出として分類し、利益を人為的に高めようとする試みがあるかもしれないという。ベルリン技術経済大学の企業金融学教授、ヤチェク・ベルク氏は「(実際には水増しされているが)健全に見える営業キャッシュフローはプラスの財務キャッシュフローと一致する傾向がある」と述べた。テスラはこの疑惑に対して特別なコメントは出していない。

DOGE集中の間に相次ぐ悪材料

マスク氏がDOGEの業務に集中している間、テスラはサイバートラックのリコール、反テスラ抗議運動、ドイツ工場の従業員による労働環境改善要求など、様々な問題に直面している。

テスラは20日、自社の電気ピックアップトラックであるサイバートラック4万6,000台をリコールすると発表した。走行中にステンレス製の外装パネルが脱落する問題を解決するための措置だ。リコール対象は2023年11月の発売以来、先月までに販売されたほぼすべての車両だ。サイバートラックのリコールは昨年1月以来8回目となる。

ドイツでは労働条件の改善を求める声が上がった。20日、ドイツ金属産業労働組合(IGメタル)はブランデンブルクのギガファクトリーで働く従業員の約3分の1に当たる3,000人以上がより多くの休憩とより良い人員配置を保証し、管理者のハラスメントを減らすことを求める請願書に署名したと発表した。テスラのギガファクトリーはドイツの自動車工場の中で唯一の非組合職場として運営されているが、IGメタルは「組合のない地域はない。火星にも組合はあるだろう」と述べ、ブランデンブルク工場での影響力拡大を図っている。

一方、テスラは19日から開催されているカナダ・バンクーバー国際オートショーへの参加を拒否された。主催者がカナダ全土で行われている反マスク抗議による安全上の懸念を理由にテスラを参加企業から除外したためだ。ドナルド・トランプ米大統領とマスク氏の主導で米国がカナダと貿易戦争を繰り広げる中、カナダ人の対米感情が悪化し、その影響がテスラにも及んだ形だ。

テスラの強気派として知られるウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、マスク氏がトランプ大統領との政治的協力により「ブランドの危機に直面している」と20日に警告した。アイブス氏は「状況を打開するには、DOGEとのバランスを取り、テスラのCEOに専念すると宣言する必要がある」とし、「この決断をできるのはマスク氏一人だけだ」と助言した。テスラの株価はこの日、前営業日比0.17%安の236.26ドル(約3万5,335円)で取引を終えた。年初来37.71%下落した水準だ。

荒巻俊
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