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冤罪で47年以上収監された袴田巖さん「無罪確定」から半年…2億円の補償決定と警察・検察への法的責任を追及

荒巻俊 アクセス  

引用:AP通信
引用:AP通信

一家殺人事件の冤罪で47年以上収監されていた死刑囚が、およそ2億1,000万円の刑事補償金を受け取ることになった。

25日、NHKや毎日新聞など複数のメディアによると、静岡地方裁判所は前日、世界で最も長く収監されていた死刑囚・袴田巖氏(89)に対し、刑事補償として2億1,736万2,500円を支払う決定を下した。

これは国内で支払われた刑事補償金としては過去最高額となる。裁判所は決定文で「(袴田氏が受けた)精神的・肉体的苦痛は極めて重大」と述べ、「(刑事補償法に基づく)1日あたりの上限額である1万2,500円が妥当」と認定した。

元プロボクサーだった袴田氏は、1966年に静岡県清水市の味噌工場で起きた一家4人殺害事件の犯人として逮捕された。取り調べ中に「強引な取り調べによってやむを得ず虚偽の自白をした」と無実を主張していたが、1980年に最高裁で死刑が確定し、その後47年7か月にわたって服役することとなった。

袴田氏の冤罪が完全に晴れたのは、事件発生から58年後のことだった。2014年3月、静岡地裁は再審の開始を決定し、昨年9月26日には「捜査機関による証拠の捏造が確認された」として無罪判決を言い渡した。国井恒志裁判長は「ここまで長い時間がかかってしまったことについて、裁判所として深くお詫び申し上げる」と謝罪した。日本の検察は無罪確定判決から12日後に控訴を断念すると発表した。

生きて冤罪を晴らすことはできたが、袴田氏は長年の収監生活により深刻な後遺症を抱えているとされる。死刑と拘禁に対する恐怖から妄想性障害を発症し、ご飯を牛乳で一粒ずつ洗って食べるなどの行動も見られた。

姉の袴田ひで子氏によれば、弟は「姉なんていない」と言って10年以上も面会を拒否していたという。代わりに姉が再審に出廷し、「釈放されて10年が経ったが、今もなお拘禁の後遺症で妄想の世界にいる。彼の心はまだ癒えていない」と訴えた。

3歳差の姉は、無罪が証明された日の記者会見で、言葉にならない涙を流し続けた。

一方、刑事補償の決定が下されたこの日、袴田氏の代理人である小川英世弁護士は「捜査機関による捏造が認められた死刑事件で、最高額の補償は当然」と述べ、今夏を目処に警察や検察の責任を問う国家賠償請求訴訟の提起を準備していると明らかにした。

荒巻俊
editor@kangnamtimes.com

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