
米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利発表を翌日に控え、ニューヨーク株式市場の主要3指数は2日連続で下落して取引を終えた。市場は米国と主要国間の関税交渉の結果を見守りながら調整局面にある。
6日(現地時間)、ニューヨーク証券取引所(NYSE)でダウ工業株30種平均は前日比389.83ポイント(0.95%)安の4万829.00で取引を終えた。S&P500指数は43.47ポイント(0.77%)下落し5,606.91、ハイテク株中心のナスダック総合指数は154.58ポイント(0.87%)安の1万7,689.66で引けた。
関税交渉に関しては目立った進展はなかった。スコット・ベッセント米財務長官はこの日、議会下院の歳出委員会の公聴会に出席し、現在18か国の主要貿易相手国のうち中国を除く17か国と貿易交渉を進めていると述べ、「早ければ今週、我々の最大の貿易相手国の一部との貿易和解を発表する」と明らかにした。
ドナルド・トランプ米大統領はこの日、ホワイトハウスで行われたカナダのマーク・カーニー首相との首脳会談に先立ち、報道陣に「中国は交渉を望んでおり、会談を希望している」と述べ、「適切な時期に中国と会談する」と語った。
トランプ大統領は今後2週間のいずれかの時点で主要国との貿易交渉が合意に至る可能性があると明言した。
米国とイギリスが今週和解を目指して貿易協定締結の準備を進めているとの海外メディアの報道もあった。
報道によると、米国はイギリス製自動車と鉄鋼を対象にクォータ(輸入割当)を設定し、25%の関税を免除する計画だ。これは定められた数量に対してのみ関税負担から解放されることを意味する。
トランプ大統領は前日、今後2週間以内に医薬品に対する品目別関税を発表すると述べた。彼はすでに何度も医薬品と半導体に対して品目別関税を導入すると公言してきた。医薬品関税の導入自体は新しいニュースではないが、項目別の数値は市場が注目する情報だ。
米国の3月の貿易赤字は過去最大を更新した。大規模な関税政策を前に、先行発注が急増したためとみられる。
米商務省によると、3月の貿易赤字は1,405億ドル(約20兆1,100億円)を記録した。前月比で14%増加した数値であり、市場予想の1,370億ドル(約19兆6,100億円)を上回る赤字だ。
業種別ではエネルギーと公益事業のみが上昇した。公益事業は1%以上上昇した。一方、ヘルスケアは3%近く急落した。
製薬会社イーライリリーは5.61%急落した。これはトランプ大統領が医薬品関税を発表すると明言した影響によるものとみられる。メルクとアムジェンはそれぞれ5%と4%近く下落した。ファイザーも3%を超えて下落した。
巨大テクノロジー企業7社を指す「マグニフィセント・セブン」(M7)は、アマゾンとアップルが小幅高を記録し、他はすべて下落した。メタは2%下落し、テスラは1.75%下落した。
米自動車大手フォードは2%を超えて上昇した。前日の取引終了後、今年第1四半期の市場予想を上回る好業績を発表した影響だ。フォードは今年第1四半期の1株当たり純利益(EPS)が0.14ドル(約20円)、売上高は374億2,000万ドル(約5兆3,600億円)であると発表した。いずれも市場予想を上回った。
一方、米人工知能(AI)防衛企業パランティアは12%急落した。パランティアも第1四半期の好業績を発表したが、すでに今年の株価が上昇しすぎているとのウォール街の見方がある。
ゴールドマン・サックスのアナリスト、ガブリエラ・ボルゲス氏は「パランティアは今後も最高水準の成長を続ける有利な位置にあると判断する」と述べつつも、目標株価を従来の80ドル(約1万1,451円)から90ドル(約1万2,883円)に引き上げるにとどまった。
この日から2日間、連邦公開市場委員会(FOMC)会議が行われる中、市場では金利の据え置きが予想されている。市場参加者は金利の動向よりもFRBのジェローム・パウエル議長が記者会見でどのような発言をするかに注目している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウォッチツールによると、FRBが6月の政策金利を据え置く確率は68.1%と反映されている。「6月据え置き論」が確実に優位を占めている。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は前日比1.12ポイント(4.74%)上昇し、24.76を示した。