19 C
Tokyo
2025年05月22日木曜日
ホームニュースロシア軍、北朝鮮製の「旧式コクサン砲」を実戦投入!「まるで紙製」、砲撃後にグラつく「危うい」兵器の正体

ロシア軍、北朝鮮製の「旧式コクサン砲」を実戦投入!「まるで紙製」、砲撃後にグラつく「危うい」兵器の正体

引用:Telegram@mag_vodogray
引用:Telegram@mag_vodogray

ロシア軍がウクライナ戦争で運用中の北朝鮮製170mm自走砲「M1989コクサン」の実際の発射シーンが、初めて公開された。

20日、ウクライナの軍事専門メディア「ミリタルニ(Militarnyi)」によると、同日、あるテレグラムのアカウント(@mag_vodogray)がこの映像を公開し、ロシア軍が北朝鮮製の自走砲を実戦で運用していることを裏付けたという。公開された映像には、ロシア軍が新たに創設した砲兵旅団が保有するM1989コクサン自走砲が砲撃を行う様子が収められており、砲弾が発射された後、大きく揺れる自走砲の様子も確認できる。また、空爆対策用の丸太製キャノピーの下で待機する自走砲の姿や、170mm砲弾の存在も確認された。このテレグラムアカウントは、「この砲弾には、ソ連製砲弾に見られる設計上の特徴が備わっている」と説明している。

ウクライナの軍事専門家であるオレクサンドル・コバレンコ氏は、テレグラムで「砲弾の威力や射程、命中精度の面で疑問が残る点が多い」との見解を示した。彼はまた、「(映像で)自走砲は、発射後に大きく揺れ、まるで紙でできているかのように見える。これは安定性や命中精度の問題を引き起こす可能性がある」と指摘した。さらに、「これまで自走砲の射程が30kmを超えたことはなく、40〜60kmとされている点は誇張の可能性が高い。砲弾の口径は170mmだが、152mmよりも特別に強力というわけではない」とも述べている。

ロシア軍はこれまで、ウクライナの最前線で北朝鮮製の自走砲を運用してきたが、今回のように近距離から発射の様子が撮影されたのは初めてだという。ただし、映像が撮影された具体的な時期や場所については明らかにされていない。この映像を共有したX(旧ツイッター)のアカウントは、コクサン自走砲の特性について、「長距離攻撃能力を備えているが、高威力の弾薬を使用するため砲身の摩耗が早いとの報告が砲兵たちから上がっている」と伝えている。

昨年末、テレグラムなどを通じて、北朝鮮製の自走砲がロシアの貨物列車に積まれて輸送されている様子を捉えた映像が公開された。当時、米経済誌「フォーブス」は「北朝鮮は今冬まで、主にロシアが自国で生産可能な口径の砲弾を供給してきたが、前線に投入されるM1989自走砲の数が増えることで、ロシア軍の北朝鮮製兵器への依存度はさらに高まるだろう」と分析していた。先月にはまた、ロシア軍が西部クルスクで、ウクライナ軍のFPV(ファースト・パーソン・ビュー、一人称視点)ドローンによる攻撃で、M1989コクサン自走砲1門を破壊したとの報道もあった。

引用:Telegram@mag_vodogray
引用:Telegram@mag_vodogray

M1989コクサン自走砲は、北朝鮮が従来使用していたM1978コクサンに新たな車体を組み合わせた大口径・長射程の自走砲であり、2018年に平壌(ピョンヤン)で行われた軍事パレードにも登場したことがある。M1989コクサン自走砲は、北朝鮮が独自に開発したとされる170mm砲弾を使用しており、高性能破片榴弾を用いた場合の最大射程は約43kmとされる。また、ロケット補助推進体を使用すれば、射程は54〜60kmまで延長可能とされている。

「ウクライナ・プラウダ」など現地メディアによれば、元々北朝鮮の非武装地帯の北側からソウルを攻撃する目的で設計されたが、現在はロシア軍がウクライナとの戦争で砲兵戦力の損失を補うために使用しているという。

関連記事

コメントを書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください