
ウクライナの主要兵器である米国製高機動ロケット砲システム(HIMARS・ハイマース)がロシアによって次々と破壊されている。21日、英テレグラフ紙は、ロシア精鋭ドローン部隊のルビコンが光ファイバードローンでウクライナの貴重な戦力であるハイマースを破壊したと報じた。
ロシア国防省によると、ウクライナ軍のハイマースは先月、最前線からわずか10km離れたドネツク州チャシウヤールの郊外で破壊された。公開された映像では、ハイマース発射車両が未舗装路を走行し、ドローンとの衝突直前に映像が途切れるが、その後の爆発シーンが確認できる。

テレグラフ紙は、ウクライナの貴重な戦力であるハイマースが光ファイバードローンによって破壊された点に注目した。この戦争で新たに注目を集めている光ファイバードローンは、釣り糸のように細い光ファイバーケーブルを装備し、最大10kmの飛行が可能だ。これは、周波数妨害によってドローンを無力化する対策として開発され、光ファイバー接続により信号損失や電子的傍受のリスクを回避し、安定した安全な通信を実現している。
米国がウクライナに供与したハイマースは多連装ロケット砲システムで、今回の戦争における「ゲームチェンジャー」と呼ばれる重要兵器だ。1基当たり約350万ドル(約5億円)の高価な兵器で、最大80km先の目標を精密攻撃できる能力を持ち、これまでロシアの補給拠点や指揮所、弾薬庫の攻撃で重要な役割を果たしてきた。

引用:Radio Free Europe
ハイマースは強力な火力に加え、西側の軍事支援の象徴とも見なされるほど今回の戦争で大きな役割を果たしてきたため、その破壊は重要な意味を持つ。開戦以来、米国は計40基のハイマースをウクライナに供与しており、そのうち破壊されたのは少なくとも4基で、光ファイバードローンによる破壊は今回が初めてだ。現時点では数は少ないものの、ドナルド・トランプ大統領の就任後はハイマースの追加供給の可能性がほとんどないことがウクライナにとって懸念材料となっている。
ウクライナのメディア「ユーロマイダンプレス」は、「ロシアのドローン部隊ルビコンがハイマースのような高価値システムを標的にし始めたことは、ウクライナにとって懸念すべき展開を示している」とし、「ロシアはもはや単純な補給線の妨害にとどまらず、ウクライナの戦略的打撃能力を直接狙っている」と警鐘を鳴らしている。