メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

トランプの予算カットで「人類の盾」が消える?小惑星迎撃望遠鏡が頓挫の危機で米科学界「文明への脅威」

荒巻俊 アクセス  

引用:米航空宇宙局(NASA)
引用:米航空宇宙局(NASA)

約1,710億を要する「NEOサーベイヤー」

危険な軌道に接近する彗星・小惑星を追跡

人工物体との衝突で軌道修正を計画

米政府のNASA予算削減に懸念

人類の脅威に備えるインフラが「危機」に

ドナルド・トランプ大統領が推進した米連邦政府機関への予算削減が、予期せぬ余波を生んでいる。

地球と衝突する可能性のある小惑星や彗星を捕捉するため、米航空宇宙局(NASA)が開発中の新型宇宙望遠鏡の打ち上げが、開発費の不足により頓挫する可能性が浮上したためだ。NASAに課された「超緊縮予算」により、地球と人類が危険にさらされるとの懸念が、現地の科学者のみならず政界からも上がっている。

最近の米科学界によると、米下院科学・宇宙・技術委員会は15日(現地時間)、ワシントンで公聴会を開催し、地球と衝突する可能性のある小惑星や彗星を探査するための宇宙望遠鏡「NEOサーベイヤー」の開発計画を精査したという。この場には、委員会所属の議員やNASA関係者、大学所属の専門家らが出席した。

米民主党のヴァレリー・フシー下院議員は、今後の正常な開発が不透明となったNEOサーベイヤーを公聴会で取り上げ、「NASAの役割はもちろん、米国の競争力と国際舞台での地位までも弱体化させた」と批判した。

NEOサーベイヤーとは何か、なぜ開発計画が不透明になったのだろうか。

小型車程度の大きさで重量1.3トンのNEOサーベイヤーは、「地球防衛」に特化した初の宇宙望遠鏡である。地球防衛とは、地球に向かって飛来する小惑星や彗星に人工物体を衝突させることで、それらの進路を変更することを指す。ビリヤードのような原理で地球を救うというわけだ。

このような「作戦」を実行するには、正確な「観測」が不可欠だ。宇宙分野で世界最先端を行く米国が開発中のNEOサーベイヤーは、その観測を担うよう設計された宇宙望遠鏡である。観測のため、NEOサーベイヤーには赤外線、すなわち熱を感知する装置が搭載されている。従来の天体望遠鏡の多くが可視光線、つまり目に見える光を感知するのとは異なる。

小惑星や彗星は、摂氏マイナス200度以下の宇宙空間よりも温かいため、NEOサーベイヤーの赤外線監視網に捉えられる。一方、可視光線に依存する従来の天体望遠鏡の多くは、極めて暗いか、逆に非常に明るい宇宙を飛行する小惑星・彗星を観測するのが困難だ。NASA科学ミッション局のニコラ・フォックス副局長は公聴会で、「NEOサーベイヤーは人類に迫る危険に備える能力を向上させる」と強調した。

NEOサーベイヤーは、地球から4,800万km以内に接近する直径140m以上の小惑星・彗星の90%以上を発見できる。直径140メートルの小惑星や彗星が地球と衝突すれば、大都市一つを壊滅させるほどの破壊力がある。このような災害が地球を襲う可能性を最小化することが、NEOサーベイヤーの任務である。

公聴会に出席した米下院議員らは、このように地球の守り神のような役割を果たすNEOサーベイヤーが、トランプ政権の予算削減により宇宙へ打ち上げられない可能性があるとの懸念を示した。米民主党のゾーイ・ロフグレン下院議員は、「地球防衛のためには科学関連の連邦機関が前面に出るべきだが、これらが本来の役割を果たせるか疑問が生じた」と批判した。

トランプ政権は今月初め、来年度のNASA予算を今年度比24%削減した188億ドル(約2兆6,753億2,642万円)に設定した。単年度の予算削減幅としてはNASA史上最大だ。一方、NEOサーベイヤーには2022年から毎年約1億〜2億ドル(約142億3,152万円〜約284億6,689万円)が投入されている。地球からの打ち上げが予定されている2027年まで、総額12億ドル(約1,707億9,083万円)を支出するのが、NASAの既存の計画だった。

過去の米政府は、この程度の金額は地球防衛のために支出可能と考えていたが、トランプ政権下では今後の状況を楽観視できなくなった。

米民主党のジョージ・ホワイトサイド下院議員は公聴会で、「(小惑星や彗星が)文明にもたらす壊滅的な危険を考慮すると、NASA予算削減により地球への脅威が増大した」と強調した。

ただし、連邦政府の予算は議会の承認手続きを経る必要がある。NEOサーベイヤーの開発が実際に遅延または中止されるかどうかは、今年7月頃に明らかになる見通しだ。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • 「血滴らせ、悠然と通り過ぎた」...米・電車内でウクライナ女性が惨殺、トランプ大統領も「狂人」と非難!
  • 「中国、ゲルマニウムを締め上げ世界大混乱」14年ぶりの最高値、防衛産業に“大恐慌”直撃
  • 「関税政策の黒幕」「トランプの腹心」スティーブン・マイロン、FRB理事会に合流…その行方に注目
  • トランプ氏の顔に“異変”!ペンタゴン追悼式での“顔が歪む映像”に「脳卒中では?」と健康異常説再燃
  • 「NATOの力を試す挑発だ!」スウェーデン首相、ロシア無人機のポーランド領空侵犯を断定
  • 「トランプ関税の呪縛終わらず」...米国、鉄鋼・アルミ製品に追加関税!自動車部品にも影響必至

こんな記事も読まれています

  • 「ランドクルーザーGRスポーツ ラリーレイド」登場…ダカール12連覇を記念した究極の特別仕様
  • PHEV「低排出」の看板崩壊?実走行CO₂は公式値の5倍、業界と環境団体が激突
  • ホンダ「0シリーズ」世界初公開…F1直系DNAと「Thin, Light, Wise」でEVの常識を破壊
  • 【比較検証】「SUVは転覆の危険が高い?」…セダンとの制動距離差も浮き彫りに、どちらが本当に安全か
  • 実は先に日本デビューしていた? 韓国の人気歌手、16歳で母国を離れ日本生活…知られざる過去
  • 「血滴らせ、悠然と通り過ぎた」…米・電車内でウクライナ女性が惨殺、トランプ大統領も「狂人」と非難!
  • 「中国、ゲルマニウムを締め上げ世界大混乱」14年ぶりの最高値、防衛産業に“大恐慌”直撃
  • マーゴット・ロビー、ロンドンで“入店拒否”屈辱体験!パパラッチ騒動の裏で新作『嵐が丘』主演決定

こんな記事も読まれています

  • 「ランドクルーザーGRスポーツ ラリーレイド」登場…ダカール12連覇を記念した究極の特別仕様
  • PHEV「低排出」の看板崩壊?実走行CO₂は公式値の5倍、業界と環境団体が激突
  • ホンダ「0シリーズ」世界初公開…F1直系DNAと「Thin, Light, Wise」でEVの常識を破壊
  • 【比較検証】「SUVは転覆の危険が高い?」…セダンとの制動距離差も浮き彫りに、どちらが本当に安全か
  • 実は先に日本デビューしていた? 韓国の人気歌手、16歳で母国を離れ日本生活…知られざる過去
  • 「血滴らせ、悠然と通り過ぎた」…米・電車内でウクライナ女性が惨殺、トランプ大統領も「狂人」と非難!
  • 「中国、ゲルマニウムを締め上げ世界大混乱」14年ぶりの最高値、防衛産業に“大恐慌”直撃
  • マーゴット・ロビー、ロンドンで“入店拒否”屈辱体験!パパラッチ騒動の裏で新作『嵐が丘』主演決定

おすすめニュース

  • 1
    「あなた達だけでも生きなさい…」火災で子犬7匹を守った母犬ピウィ、“命懸けの愛”に世界が涙

    フォトニュース 

  • 2
    「まるで博物館!」元野球選手イ・デホ夫妻、新居に30年の軌跡を残すトロフィールームを設置

    smartnews 

  • 3
    「もうすっかり大人」LE SSERAFIMの末っ子ホン・ウンチェ、デビュー時とのギャップに驚きの声

    smartnews 

  • 4
    「任せられたからには全力で」休止期間を経て復活した女優、火の前で30分膝をつき料理に没頭

    smartnews 

  • 5
    「子持ち以外はアウト」人気恋愛番組でバツイチ女性出演者が放った一言にスタジオ騒然

    smartnews 

話題

  • 1
    BLACKPINK・リサ、エミー賞レッドカーペットに初登場!総額数千万円のブルガリジュエリーで視線を独占

    smartnews 

  • 2
    ゲーム発の実写映画『8番出口』、公開2週目で興収20億円突破!カンヌ&釜山映画祭も注目

    smartnews 

  • 3
    「落とした靴、はいどうぞ!」子どもの靴が象舎の中に...踏むかと思いきや、巨大な鼻でそっと返す姿に感動

    フォトニュース 

  • 4
    【帰郷】生まれて初めて森を見た虎の表情が話題に…「ここが本当の居場所?」と訴える姿に世界が涙

    トレンド 

  • 5
    人気タレント宅から高級品窃盗の男、懲役2年の判決に控訴…「知らずに侵入」と弁明も前科あり

    smartnews