米国のドナルド・トランプ大統領が就任前に発行したミームコイン「$TRUMP」の上位保有者たちを招いた非公開晩餐会が開かれた。しかし、参加者からは食事の質に対する不満の声が上がっている。英紙テレグラフによると、22日、トランプ陣営は「$TRUMP」の上位保有者220人をバージニア州のゴルフクラブでの非公開晩餐会に招いたという。「$TRUMP」はトランプ一族が彼の就任3日前に発行したミームコインだ。就任前日には75.35ドル（約1万730円）まで高騰したが、その後連日暴落し、最高値から80％以上下落した。これを受け、先月コイン側はトランプ大統領との非公開晩餐会への招待をコインの宣伝に利用した。ブロックチェーン分析会社「ナンセン（Nansen）」の分析によると、招待された人々は平均178万ドル（約2億5,347万円）をこのコインの購入に費やしたという。ただし、招待客間の総購入額には大きな差がある。下位の24人は10万ドル（約1,424万44円）未満を支出した一方、上位7人は1,000万ドル（約14億2,400万円）以上を支出した。
少なくとも数億円以上を投じた招待客たちには「焼きヒラメとシトラスリダクションソース、デミグラスを添えたフィレミニョン」が提供された。メニュー通りの料理が出されたものの、質の低さに招待客たちは「格安航空会社の機内食以下だ」と失望感を隠さなかった。
晩餐会に招かれたニコラス・ピント氏は「食事は最悪だった。トランプ大統領のゴルフ場で食べた中で最低だ。唯一美味しかったのはパンとバターだけ」と不満を漏らした。さらに「水とトランプワイン以外の飲み物は出なかった。酒を飲まないので水だけだったが、おかわりは1回しかできなかった」と付け加えた。
ピント氏は、これがトランプ大統領との晩餐会と銘打たれていたにもかかわらず、トランプ大統領の登場は極めて短時間だったと指摘した。彼は「220人の招待客のうち誰とも話をしなかった。おそらく上位25人とは話したかもしれないが、彼（トランプ大統領）の滞在時間はわずか23分だった」と述べた。
トランプ大統領は短いスピーチを行った後、質疑応答の時間も設けずにヘリコプターで会場を後にしたという。ピント氏は「晩餐会後の雰囲気は沈んでいた。人々は食事中も携帯電話でコイン価格の変動を確認していた」と当時の様子を伝えた。
この日の招待客の中で最大の出資者は、中国出身の暗号通貨起業家ジャスティン・サン氏だった。サン氏は2023年に市場操作と未登録証券の販売容疑で起訴されたが、トランプ大統領が今年就任してから2週間で事件を棄却させたことで、米国への入国が可能になった。
一方、報道によると、トランプ一族はミームコイン「$TRUMP」で、1億4,800万ドル（約210億7,155万円）以上の収益を上げたと推定されているという。