暗号資産ビットコイン(BTC)が10万9,000ドル(約1,573万7,466円)を下回り、市場に圧力がかかる中、短期トレーダーが大規模に清算される一方で、長期保有者が静かに買い増しを行っていることが明らかになった。

27日(日本時間)、コインテレグラフなどによると、仮想通貨分析会社クリプトクアント(CryptoQuant)のアナリストであるアムル・タハ氏は、「この動きは市場内で明確なパターンとして定着している」と評価した。
ビットコインは同日午前、一時11万ドル(約1,588万1,180円)を突破したものの、二度の抵抗線に阻まれて再び後退し、午後3時20分時点では10万8,900ドル(約1,572万9,555円)台で取引されている。
今回の急落過程で、ビットコイン市場は二度にわたる主要な清算イベントを経験した。
最初はビットコイン価格が同日午前11万1,000ドル(約1,603万8,435円)を下回った時に発生し、9,700万ドル(約140億1,556万9,227円)規模のロングポジションが清算された。
続いて価格が10万9,000ドルを下回ると、さらに8,800万ドル(約127億1,515万5,587円)規模のロングポジションが追加で清算された。
このように過度なレバレッジを利用した短期投資家が連続して清算される状況下で、長期保有者(Long-term holders, LTH)は逆にビットコインを着実に買い増しながら、市場の動きに対応している。

クリプトクアントのデータによると、長期保有者が保有するビットコインに対する実現時価総額(realized capitalization)は280億ドル(約4兆458億5,201万円)を超えた。これは4月以来初めて達成された水準だ。
実現時価総額とは、ビットコインが最後に移動(取引)した時点の価格を基準に全体資産価値を算出する方式で、現在の相場とは異なる。
この指標の上昇は、長期保有者が最近の下落相場で積極的に買い集めていることを意味する。
タハ氏は、これを「市場の不安定性に対応した戦略的な買い行動」とし、「彼らは短期的な変動に左右されず、むしろ価格下落局面を長期的ポジション強化の好機と捉えている」と分析した。
また、クリプトクアントの別のアナリストであるイブラヒム・コサール氏は、ビットコインのチャート上に「ダブルボトム(double bottom)」パターンが形成されていると分析した。これは下落傾向が弱まり、買い圧力が再び強まっているシグナルと解釈される。
コサール氏は「現在の価格帯が支持線として機能すれば、11万2,000ドル(約1,618万1,683円)以上も十分に達成可能だ」との見通しを示した。
専門家らは、長期保有者によるこうした動きは短期的な価格変動よりも、ビットコインの長期的価値への信頼に基づいており、今後の上昇相場を支える基盤となる可能性があると指摘している。