
台湾当局が一般公務員、教師、軍人など約74万人を対象に、中国本土の身分証明書と居住証の所持状況を確認する調査を進めていることが明らかになった。
27日付の香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、台湾の対中国大陸政策担当機関である大陸委員会(MAC)は、第1段階として高位職と主要部署の職員に対する全数調査を実施した後、第2段階として地方公務員などに調査範囲を拡大したと報じた。
今年の3月中旬以降、約1か月間にわたり、総統府、5大政府機関、52の主要機関、軍、200以上の公立学校で働く国民を対象に計37万1,203人の調査が行われた。
このうち、99.87%が中国本土発行の身分証明書や居住証を所持していないと誓約したという。
本土の身分証明書を申請した2人と居住証を所持している75人については、該当する証書がすべて無効とされた。
第2段階の調査は同日から本格的に開始された。
台湾の現行法では、公務員、軍人、教師が中国国籍や居住権を持つことができないと規定されている。
これに違反した場合、公職資格が剥奪される。
台湾国家安全会議は、3月にライ・チントー台湾総統の指示で今回の全数調査を命じていた。
当時、国防部、内政部、教育部、行政院など、機密情報にアクセス可能な人員に対する包括的な点検命令も出された。
大陸委員会は「中国が台湾の身分証を返却せず、中国本土への定住を促進する『統合発展政策』が台湾の安全保障に深刻な脅威をもたらしている」とし、「国家のアイデンティティを曖昧にし、政治的浸透に対する防御を困難にしている」と指摘した。
台湾国内では、今回の全数調査が国民を抑圧する措置であるとの批判が出ている。
野党・国民党のウェン・シャオリン議員は「どの法律で公務員や教師にいわゆる『忠誠の誓約』を要求することを認められているのか」とし、「拒否した場合、懲戒や減給、解雇などの不利益を被るのか」と疑問を呈した。
ウェン議員は「中国との問題を解決できない政府が自国民を抑圧している」とし、「中国本土からの団体観光客受け入れ禁止や中国本土の学位無効化に続き、忠誠の誓約まで強要する一連の政策は、政府による不当な権限濫用であり、自由を侵害するものだ」と批判した。