中国当局が、BYD(比亜迪)、東風汽車などの主要電気自動車メーカーと業界団体の関係者を招集し、激化する価格競争とそれによる市場歪曲問題について議論した。
ロイター通信によると、27日、日中国商務部の招集で非公開で行われた会議は、電気自動車メーカーや中国自動車工業協会(CAAM)と中国自動車流通協会(CADA)、そして一部の中古車取引プラットフォームの関係者が参加し、「ゼロキロ中古車(走行距離がゼロの中古車)」の販売慣行に関する議論を中心に行われたという。

近年、中国自動車市場で急速に広がっている「ゼロキロ中古車」は、実際の走行履歴がない車両を中古車として登録して販売する方式だ。これは、完成車メーカーとディーラーが高い販売目標を達成する手段として利用していることが知られている。外見上は中古車だが、実質的には新車に相当するため、市場秩序を乱す可能性があるとの懸念が出ている。中国の長城汽車(グレートウォール・モーター)の会長であるウェイ・ジエンジュン氏は、23日の現地メディアとのインタビューで「販売登録とナンバープレートの発行を完了した車両が一度も走行されないまま中古車市場に出ている」と述べ、「中国の中古車プラットフォームには、このような車両を販売する業者が少なくとも3,000〜4,000社に達する」と指摘した。
このような現象は、中国自動車業界の長期化する価格競争の中で生じた副作用だといえる。BYDは最近、10車種以上の自社モデルの価格を大幅に引き下げた。他社も値引き競争に加わり、価格の下落が加速している。コンサルティング会社Sino Auto Insights(シノオートインサイト)の取締役であるトゥ・レ氏は「損失に耐えられない企業が淘汰される転換点になる可能性がある」と述べ、「年末から本格的な業界再編、いわゆる『血の雨』が降る可能性がある」と語った。
中国政府も競争過熱による弊害に注目している。国家発展改革委員会は最近、一部の産業で競争が過度に激化し、一部の企業が車両を原価割れで販売する事例が見られるとして、公正な競争を損なっていると警告した。
中国の電気自動車市場は、過去10年余りで多くの企業が参入し急速に拡大してきた。しかし、リサーチ会社JATO Dynamicsによると、現在営業中の169社のうち、半数以上が市場シェア0.1%にも達していないという。これに加え、最近の価格引き下げ競争とそれに伴う副作用が蓄積されており、業界再編の可能性が現実味を帯びてきているとの分析が出ている。