パイネットワーク(Pi Network)が発行する暗号資産パイコイン(PI)は、仮想通貨取引所MEXCへの上場という好材料にもかかわらず、価格の反発に苦戦している。

2日午後5時(日本時間)時点で0.64ドル(約92円)付近で推移するパイコインは、重要な節目である1ドル(約144円)の突破に幾度となく失敗してきた。
仮想通貨市場のアナリストらは、「この水準を超えない限り、新規投資家の流入は引き続き制限される」との見方を示している。
また、一部のアナリストらは、「0.85ドル(約122円)を突破すれば、短期的に1ドルまたは最大1.15ドル(約165円)まで上昇する余地がある」とみている。
しかし、現在の相場動向では下落リスクの方が高まっているとの見方が優勢だ。
これに先立ち、仮想通貨アナリストのドクター・アルトコイン氏(Dr Altcoin)は、「パイネットワークが8月まで緩やかな下落傾向を続ける可能性がある」と警告した。
同氏は最新の分析において、パイの価格が0.40ドル(約57円)まで下落する恐れがあると言及した。
最大の問題点として、パイコアチームの閉鎖的な運営方式を指摘した。投資家は透明性に欠けるプロジェクトには資金を投じたがらないというのが同氏の見解だ。現在の不透明なコミュニケーション体制が続けば、市場の信頼回復はさらに困難になると予想される。
一方で、パイネットワークは長期的な視点から実用化基盤の強化に努めている。最近では、AIやゲーム、フィンテック、Eコマース分野のスタートアップを支援するため、1億ドル(約144億546万5,443円)規模のパイネットワークベンチャーズファンド(Pi Network Ventures Fund)を立ち上げた。パイコインの実際の用途を拡大し、長期的な価値向上を図る戦略だ。
こうした取り組みにもかかわらず、短期的には市場の不安心理が価格により大きな影響を与えている。
専門家らは、パイコアチームがより積極的に透明性を確保し、投資家との信頼関係を回復しない限り、パイネットワークは当面、価格低迷から脱却するのは難しいとの見通しを示している。